服を買っても「首はぴったりなのに胴回りがきつい…」、ベッドを新調しても「気づけばお尻がはみ出している…」。デカプーと暮らすと、こんな“サイズ選びの悩み”がついて回ります。
トイプードルとして売られていても、成犬になると10kgを超える子も珍しくなく、市販の小型犬用グッズはサイズが合わないこともしばしば。しかし、中型犬用では大きすぎたり重すぎたりと、これまた一筋縄ではいきません。
今回は、我が家のデカプー(成犬・オス・11〜12kg)が実際に経験してきた「服もベッドもサイズ迷子」問題を掘り下げつつ、どうやって解決してきたのかをご紹介します。
デカプーの体型がサイズ選びを難しくする理由
デカプーがサイズ選びで苦労する一番の理由は、「既製品のサイズ規格」にすっぽり当てはまらない体型にあります。
一般的なトイプードルのサイズ表は、体重2〜4kgを基準に作られており、首回り20cm前後・胴回り30〜40cm・着丈25〜30cm程度が標準です。しかし、我が家のデカプー(成犬・オス・11〜12kg)は、首回り37cm、胴回り55cm、着丈42cm。数字だけ見ると小型犬用の最大サイズを軽く超えており、中型犬用に近い寸法です。
ところが、中型犬用を選べば解決かというとそうはいきません。中型犬用は着丈や胴回りこそ合っても、首回りが緩すぎて歩くたびに服がズレたり、回ったりしてしまいます。首輪やハーネスも同様で、締めればきつい、緩めれば抜けそう…という「ジャストサイズが存在しない状態」に。
ベッド選びも難題です。小型犬用は丸まって寝るのがやっとで、伸びをすると前足やお尻がはみ出します。逆に中型犬用はゆとりがありすぎ、部屋も少し手狭になる。クッション型ならまだしも、ドーム型ベッドになると入り口が狭くて前足を突っかけることもありました。
さらにデカプーは毛量の多さがフィット感に影響します。冬のモコモコ期にぴったりだった服が、夏の短めカットになるとブカブカに。毛のボリュームが減ることで、首元や脇のあたりが余ってしまい、服の中に前足が入り込んで動きづらくなることもあります。
加えて、個体差も大きなポイントです。同じ「デカプー」と呼ばれるサイズ帯でも、骨格ががっしりしている子もいれば、やや胴長短足タイプもいます。体重や犬種名だけでサイズを選ぶと失敗するのはこのためです。
つまり、デカプーは“規格外”のため、既成サイズ表に頼るのではなく、実寸をこまめに測ることが何より重要。首回り・胴回り・着丈の3か所を基準に、さらに毛量や季節、デザインの伸縮性まで考慮して初めて「ぴったり」に近づけやすくなります。
デカプーの服選びの落とし穴と試着の重要性
デカプーの服選びでありがちな落とし穴は、「サイズ表の数字だけを見て安心してしまうこと」です。ネット通販や店頭のタグに記載された「首回り◯cm・胴回り◯cm・着丈◯cm」を確認し、「うちの子の寸法とほぼ同じだから大丈夫」と思って購入しても、いざ着せてみると首はぴったりなのに胴回りがパツパツ、または着丈が妙に短い…ということが少なくありません。
その理由は、服の形状や素材によってフィット感が大きく変わるからです。例えば、同じ胴回り50cm対応でも、伸縮性のあるニット生地なら余裕がありますが、デニムやナイロンのように伸びない素材だと動きが制限されます。また、袖の有無や脇のカットラインも影響大。前足の付け根が狭いデザインは、散歩中に服がずり上がったり、足が引っかかる原因になります。
我が家でも、冬用に厚手のパーカーを購入した際、サイズ表では完璧なはずなのに首元がきつく、着せるときに愛犬が嫌がることがありました。原因は、裏地のボアが厚く、実寸より内側が狭くなっていたこと。逆に、薄手のTシャツ型は胴回りが余ってしまい、走ると服が回転して背中側の柄が横やお腹側にずれてしまうことも。
こうした失敗を避けるためには、「試着」が最も確実です。最近ではペットショップやドッグカフェ併設店舗で、試着スペースを設けているところも増えています。首回り・胴回り・着丈の3か所を測ったうえで、実際に歩かせてみて違和感がないか確認するのが理想です。
もし試着できない場合は、返品・交換が可能なショップを選ぶのがおすすめ。ネット通販でも「サイズが合わなかった場合は交換OK」という店舗は意外と多く、購入前に利用条件を確認しておくと安心です。また、セミオーダーやサイズカスタムに対応してくれるお店を探すのも一つの方法。胴回りだけ数センチ広くするなど、微調整が可能な場合があります。
デカプーは「数字上は合っているのに、着せてみると合わない」ということが本当に多い犬種。服選びは、サイズ表と実寸の照合に加えて、素材・デザイン・動きやすさまで含めて判断することが、長く使えるお気に入りの一着を見つける近道です。
デカプーのベッド・ハウス選びで起きがちな“はみ出し問題”
デカプーの生活スペースで意外に悩ましいのが、ベッドやハウスのサイズ選びです。小型犬用では明らかに狭く、中型犬用では大きすぎて場所を取る…という、ちょうどいいサイズがなかなか見つからない“サイズの谷間”に陥りやすいのです。
我が家のデカプー(11〜12kg)も、小型犬用ベッドだと丸まって寝るのがやっと。少し伸びをすると前足やお尻が外にはみ出し、結局フローリングで寝てしまうこともありました。逆に中型犬用ベッドに変えてみたところ、今度は部屋のスペースを圧迫し、掃除や家具の配置にも影響が出る始末。サイズの合わないベッドは、犬にとっても人にとってもストレスの原因になります。
形状の違いも重要です。ドーム型や屋根付きのベッドは見た目が可愛いものの、入り口の幅が狭く、胸回りががっしりしたデカプーは出入り時に引っかかってしまうことがあります。また、内部空間が小さいと中で向きを変えるのも一苦労。結果的にベッドを避けてしまうこともありました。クッション型やマット型は自由度が高くはみ出し問題は少なめですが、冬場は保温性に欠けるため毛布やブランケットを追加する必要があります。
さらに見落としがちなのが「季節ごとの快適さ」です。夏用の接触冷感ベッドは厚みが薄く、体がはみ出しても涼しさが保てますが、冬用のもこもこベッドは高さや縁の厚みがあり、その分内部スペースが狭くなります。冬用ベッドに合わせてサイズアップすると、今度は夏に大きすぎて邪魔になる…というジレンマが生じます。
我が家では最終的に、季節ごとに2種類のベッドを使い分けることにしました。夏はやや小さめでも通気性重視、冬は縁が高くても伸び伸び寝られる大きめタイプ。加えて、ベッドの下に滑り止めマットを敷くことで、はみ出しても足を滑らせる心配を減らしています。
ベッドやハウスは「数字上の大きさ」だけで選ばず、形状・高さ・入口の幅・縁の厚みなどを含めて、愛犬が自然にくつろげるかどうかを基準にすることが、デカプーの“はみ出し問題”を解消する第一歩です。
デカプー、その他の生活用品サイズ問題
服やベッド以外にも、デカプーのサイズ選びで悩む生活用品はたくさんあります。まず挙げられるのが首輪やハーネス。小型犬用は胴回りが入らず、中型犬用は金具やベルトが太く重いため、首や肩に負担がかかることがあります。特にデカプーは胸板が広い子も多く、首輪だと咳き込みやすい場合があり、ハーネス派が増えていますが、ハーネスも形や調整幅によってはずり落ちやすくなります。
次に食器や給水器。小型犬用の浅い器では顔のサイズに合わず、耳毛や顎が食べ物で汚れやすくなります。逆に大型犬用の深い器は底まで届きにくく、食べづらいことも。高さ調整可能なスタンド付き食器や、耳毛ガード付きボウルを使うと食べこぼしが減り、食事時間が快適になります。
ケージやサークルも要注意です。小型犬用は高さや奥行きが不足し、中型犬用だと広すぎて部屋を圧迫します。また、トイレトレーもワイドサイズにしても前足やお尻がはみ出してしまうことがあり、結果的にトイレシーツを周囲に敷き詰める…という対策を取る飼い主さんも少なくありません。
さらに盲点なのがキャリーバッグやカート。旅行や通院の際に必要になりますが、飛行機規定サイズや公共交通機関対応サイズに合わないことも。重さと大きさのバランスを考えながら、出先で持ち運びやすいかどうかも選定ポイントになります。
国内線では、以下のような条件があり、使用できるキャリーケースのサイズや重量、材質(硬質で逃走防止・通気性があること)、ロックの仕様など細かな基準あります。詳しくは → ペットをお連れのお客様
国際線では、IATA(国際航空運送協会)の基準に基づいたキャリーを使用する必要があります。キャリーは「動物が立ち、寝て、回転できる十分な広さ」が求められます。詳しくは → ペットをお連れのお客様
キャリーサイズの制限
総三辺(縦+横+高さ)の合計が 120cm以内 ペット+キャリーの合計重量は10kg以内
乗車時の必須条件
●キャリーからペットを出すのは禁止
●布製スリングやケージ以外の不定形な入れ物は不可
●チケット購入が必要で、料金は個別の「手回り品料金(ペット料金)」として290円程度の追加がかかります。
JR東日本の場合、詳しくは → ペットをお連れのお客様
新幹線と電車の場合、詳しくは → ペットをお連れのお客様
このように、デカプーは「ちょっと大きめの小型犬」ではなく、むしろ“中型犬寄りの小型犬”という独特のサイズ感を持っています。そのため、日常用品のほとんどが小型犬用・中型犬用のどちらにもぴったり当てはまらず、工夫やカスタムが欠かせません。実際に使っている飼い主の声やレビューを参考にすることが、サイズ選びの失敗を減らす近道です。
因みに我が家では、全てではありませんが、洋服のリサイズをして経費削減に努めています。大きいものは小さく、小さいものは大きく直してデカプーが着れるようにしています。
デカプーのグッズでサイズ迷子にならないための選び方のコツ
デカプーのサイズ選びで失敗を減らすためには、まず正確な採寸が欠かせません。首回り・胴回り・着丈・体高・体重をシーズンごとに測り直し、成長や体型変化に備えます。特に体重が増減すると胴回りや首回りにすぐ影響するため、こまめなチェックが大切です。
次に大事なのが実寸と使用感の両方を考えること。数字だけでなく、素材の伸縮性、縫製のゆとり、形状によるフィット感を加味して選びます。たとえば服なら「ぴったり過ぎない余裕」が必要で、ベッドなら「丸まっても伸びても余裕がある大きさ」が理想です。
購入時は返品・交換可能なショップや試着サービスを活用しましょう。ネット通販でも「サイズが合わなかった場合無料交換」などの制度を設けているお店は増えています。また、オーダーメイドやセミオーダーはコストは高めですが、長く使える場合が多く、結果的に経済的になることもあります。
さらに季節ごとの使い分けもポイント。夏用・冬用でサイズ感や快適さが変わるため、それぞれに合った物を選び、収納や保管方法も工夫します。
最後に、飼い主さん同士の情報交換は非常に有効です。SNSやブログ、口コミサイトで実際の使用感やサイズ感を知ることで、「思ったより小さい」「大きすぎて動きにくい」といった失敗を事前に防げます。
デカプーのサイズ選びは、数字・素材・形状・季節・実際の動きまでトータルで考えることが成功のカギです。
まとめ
デカプーは、見た目はトイプードルでもサイズ感は独特で、小型犬用・中型犬用どちらのカテゴリーにもぴったり収まらない存在です。そのため、服・ベッド・ハウス・首輪・食器・ケージなど、日常で使うあらゆる用品のサイズ選びで悩む飼い主さんが多くいます。
服選びでは、サイズ表だけで判断すると失敗しやすく、素材や形状によって着心地が変わります。ベッドやハウスでは“はみ出し問題”が起こり、快適に眠れないこともあります。さらに首輪やハーネス、キャリーバッグなどでも、合うサイズが見つかりにくいケースは少なくありません。
こうしたトラブルを避けるためには、まず正確な採寸と、季節や使用シーンに応じた選び分けが重要です。試着や返品交換サービス、オーダーメイドの活用も有効です。加えて、飼い主さん同士の情報共有によって、実際の使用感や失敗談を事前に知っておくと安心です。
デカプーとの生活は、そのサイズ感ゆえに工夫の連続ですが、愛犬にぴったり合うグッズが見つかったときの喜びもひとしおです。「合わないのが当たり前」という前提で選び方を工夫すれば、買い替えや無駄遣いを減らし、愛犬も快適に過ごせます。結果的に、飼い主さんにとっても犬にとってもストレスの少ない暮らしにつながるはずです。
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