それは本当に衝撃的でした。いったい愛犬コタローに何が起きたのか自分の目を疑いました。ただただ愛犬コタローのもがく様子を見守ることしかできませんでしたが、結果的にはそれが良かったようです。
今回、愛犬コタローの『てんかん発作』から経験、学んだことをお話しします。
愛犬コタローに起きた痙攣から考えられる病気の一つに『てんかん』があります。その他には感染症や水頭症、代謝の異常、中毒、脳の炎症や腫瘍などが痙攣を引き起こす原因としてあるようです。
愛犬コタローをおそった『てんかん発作』について
『てんかん』は大きく特発性と症候性の2つに分けられます。
犬の発作の原因として最も多く見られ、様々な検査(血液検査、神経学的検査、MRI検査など)を行ってみても原因が特定できないもの。
特発性てんかんは6ヶ月~5歳頃に多く発症。5歳以降の発症では脳腫瘍、水頭症、などの可能性が高くなる。
特発性に対して原因が特定できるもの、例えば低血糖、肝臓疾患、脳腫瘍、水頭症、脳炎、外傷による脳障害など
上記以外にも
★潜因性てんかんとは
症候性てんかんと推測されるものの、各種検査を行っても異常が認められないもの。
★非てんかんとは/脳以外に異常がある場合
中毒性(鉛、有機燐系農薬・殺虫剤、除草剤など)で発作が起こることがあります。
代謝性(低血糖、肝性脳症、尿毒症、肝障害、腎障害、甲状腺機能低下症、褐色細胞腫、赤血球増加症、脱水症、電解質異常、先天性尿素サイクル異常、先天性アミノ酸代謝異常など)に起因して発作が起こることがあります。
はじめて発作が起きたのは2021.3.8の朝で、2回目の発作が3.27の午前1時ごろでした。1回目の3.8の発作は、何といっても初めての出来事でしたので唖然、呆然、いったい何が起きたのか信じられないおもいでその場に立ちつくし何もできない状態。
その時は、その症状が『てんかん発作』から起きた痙攣など知る由もなく、ただ見守っていることしかできませんでした。痙攣は20秒位でおさまり、おさまった後はすぐに立ち上がりふらつきはあるものの歩き始め少しぼーっとする時間もありましたが暫くすると普通に歩き始め、いつもの状態に戻ったのでそのまま様子を見ることにしました。
2回目に起きた発作は深夜。3週間足らずの間に2回、さすがにこのまま様子を見ている訳にもいかず、その日の午前中に電話で状況を話したうえで動物病院で診てもらいました。
そこで、はじめて『てんかん発作』から痙攣が起きている疑いがあると言われて驚きました。
『てんかん発作』が疑われる理由として1ヶ月以内に2回発作が起きている点、さらに2回目の発作で痙攣中に失禁があったことなど。
早速、血液検査を行い甲状腺ホルモン(T4)ほ基準値以内でした。取りあえず抗てんかん薬を服用し様子を見ることになりました。
愛犬コタローの『てんかん症』は特発性なのか症候性なのかは現時点では確定できません。確定するためには全身麻酔でMRI検査などが必要になるようですが、コタローの年齢を考えると迷うところです。
特発性てんかんの場合、その多くは6ヶ月~5歳ぐらいにまでに発症し、その後の発症では脳に問題を抱えている場合が多くなると言われているのでとても心配です。
『てんかん発作』の症状について
『てんかん発作』の症状にも大きく2つに分けられる
身体全体にわたって痙攣が起き、全身をのけぞらせるように伸びて突っ張る感じ。意識を失ったまま手足の痙攣を激しく繰り返したり、犬かきの運動が見られることもある。
前肢、顔面などの体の一部に痙攣を起こしたり、尾追い行動をとったりすることがある。また、大量の涎が出たりすることもある
【気を付けなければいけない発作】
★群発発作/1日に2回以上の発作が起きる
★重積発作/1回の発作で痙攣が30分以上続く場合や意識が完全に回復する前に次の発作が起こる
『てんかん発作』診断開始の目安について
ハッキリとした基準があるわけではありませんが、だからこそ愛犬が『てんかん発作』を起こした時の症状がどのようなものなのかを出来る限り正確に、かかり付けの獣医師さんに伝える必要があります。
私は出来ませんでしたが、出来れば落ち着いてスマホなどで動画を撮影しておくと口頭で説明するより、その動画を見てもらうだけで獣医師さんに正確に伝わるので一番確実です。また、何回も発作が起こる場合にはその日時と症状を記録しておくことが大切です。
一般的には1ヶ月に1回以上または3ヶ月に2回以上の発作があった場合や群発発作、重積発作などの症状が認められた時には迷うことなく受診されることをお勧めします。
前述と重複する部分もありますが出来る限り振り返ってみます。
1回目/2021.3.8の朝
それは本当に何の前触れもなく突然起きました。前日も前々日も何の兆候もありませんでした。いつものように5時半ごりに私がベットから起きてリビングに行くと、コタローも一緒に寝ていたベットから飛び降りリビングへ私の後を追いかけてきて私が足を止めた途端、いきなりふらつきその場に倒れ込み全身の痙攣が始まり20秒ぐらい続いたように感じました。
その後、起き上がりふらつきながら玄関の方へ。ふらつきながらこちらを振り返り、ぼーっとしてこちらを焦点が定まらない感じで見ていました。その間2~3分だったような気がします。
2回目/2021.3.27の深夜1時頃
一緒に寝ていたベッドの上で、いきなり立ち上がり1~2度その場でグルグル回りベッドので倒れ痙攣が始まる。その2~3秒後ベッドの上から落下、落ちた時に体を強く打ち奇声を発する。落下後も痙攣は続く(20~30秒、この時、失禁)痙攣が治まった後ふらふらしながら起き上がり、1回目の発作の時と同様玄関の方に歩き始める。
玄関までたどり着いた後も、ふらふらした症状が少しの間続く。4本の足で立ったまま私の方を見つめるが、その姿勢が辛そうな感じがした。その後、お座りの姿勢になり同じようにボ=ットこちらを見つめる。その間3分位だった気がしました。
『てんかん発作』の治療について
治療についても『特発性てんかん』と『症候性てんかん』のふたつがある
症状に合わせて(数種類組み合われることもある)「抗てんかん薬」で発作をコントロールする。毎日決まった時間に朝と夜の2回服用
治療の目的は完治を目指すものではなく、発作の頻度を抑えることが目的となる。重要なのは定期的検診で副作用や、薬が体内にしっかり吸収されているかを血液検査で調べ薬の種類や量の増減を検討する。
原因を特定させるための精密検査が必要になる。検査内容は内科、外科の両方。具体的には反射神経などを診る神経学的検査、血液検査、心臓機能検査、脳波検査、MRI検査
薬物療法を始める前に、薬物代謝に影響を及ぼす肝臓や腎臓などを血液検査でその評価を確認しておくが必要。
コタローは現時点では『特発性てんかん』なのか『症候性てんかん』は特定できていません。
その理由は前述したようにコタローが高齢のため全身麻酔を私がちゅうちょしているからです。多分この先、コタローに全身麻酔のリスクを負わせることはないと思います。
と言うことはMRIで脳を含め他の部分も調べることは出来ません。あとは『特発性てんかん』であったとしても脳が原因でない事を願うだけです。一つ気がかりなのが5歳以降の発症だということ。
取りあえず、2021.3.30日から抗てんかん薬の服用を始めました。そして、2週階以上経過した4.21日に薬物の血中濃度を調べるため血液を採取し、検査結果が4.25日に出ました。結果は薬物の血中濃度が基準値以内でしたので現在の『抗てんかん薬』を同量のまま続けていくことになりました。
『てんかん発作』の原因を特定するための検査も行っていない為『症候性てんかん』なのかもまだ不明。
コタローの場合心臓にも問題があるため発作が起きて落ち着いた後に舌の色の確認も欠かせません。仮に舌の色が白かったり、青かったりしていた場合は貧血や他の疾患の可能性もありますが、今回はその可能性はなさそうです。
『てんかん発作』の最中に気を付けたいこと
愛犬がもがき苦しんでいるさまを、ただ見ているだけで何もしてあげないのは一見残酷な様にも思いますが愛犬が『てんかん発作』で痙攣中は絶対に体に触れる事は避けましょう。
飼い主さんとしては『てんかん発作』の症状を目の当たりにすると『何とかしてあげなければ』と、ついつい愛犬に呼びかけたり、身体に触れてしまうこともあるかも知れませんが、そうすることで新たな刺激が加わり次の発作を誘発してしまうこともあります。
また、痙攣は犬自身の意思と関係なく起きているので、愛犬の顔を撫でたり抱っこすることで、愛犬があなたの体を噛んでしまうことがあっても、愛犬の意思では止めることは出来ません。そのため、飼い主さん自身が大ケガをする危険性もあります。
心配になるのはよく分かりますが、愛犬のことを考え愛犬自身が怪我をしないように周囲をクッションや柔らかいもので囲ってあげ、愛犬自身の安全を確保してあげることが大切です。
通常、発作は数秒から数分でおさまり、その後は少しふらついたりしますがそれが過ぎると何事もなかったかのように普段の状態に戻ります。
『てんかん発作』は完治するの?
結論から言うと残念ながら完治することはないようです。
治療や投薬は発作の回数を減らし、少しでも愛犬の負担を取り除くために行われ飼い主さんとの生活安定を目的とし、抗てんかん薬の投与は生涯続くことが多いようです。
それでも続けることで80%ぐらいの発作を抑えることも可能のようです。ですので焦ることなく気長に取り組んでいければ良い結果が、その先にあるかも知れません。
実際に発作がなくなった例もあるようですよ。
まとめ
- てんかん』は大きく特発性と症候性の2つに分けられる
- 一般的に『特発性てんかん』は生後6ヶ月から5歳ぐらいに発症する
- 愛犬が痙攣を起こしても声をかけたり身体に触れてはいけない
- 愛犬の痙攣は見るに忍びないが症状を正確に獣医師さんに伝えるためにスマホで動画を撮っておくのが良い
- 1ヶ月に1回以上『てんかん発作』があった場合は動物病院の診断を仰ぐ
- 『てんかん発作』を発症すると治療、投薬は基本的に生涯続くことがほとんどのようだ
- 抗てんかん薬の服用については獣医師さんの指示を必ず守る
- 抗てんかん薬の副作用にも十分気をつけたい
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