みずみずしくて甘酸っぱい「キウイ」。ビタミンたっぷりで健康に良いイメージがある果物ですが、愛犬にも食べさせていいのでしょうか?この記事では、犬にキウイを与えるメリット・適量・注意点を検証します!安全に美味しく楽しめるポイントも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
犬はキウイを食べても大丈夫?
基本的にOK!ただしアレルギーと消化不良に注意
犬は基本的にキウイを食べても問題ありません。ただし、「適量」を守ることと、いくつかの注意点を押さえる必要があります。
特にキウイには「アクチニジン」というたんぱく質分解酵素が含まれており、胃腸に刺激を与えることがあります。消化機能が弱い子犬やシニア犬は注意が必要です。また、キウイに対してアレルギー反応(かゆみ、嘔吐、下痢など)を示す犬もまれにいます。初めて与えるときは少量から様子を見ながらスタートしましょう。
キウイに含まれる栄養素と犬への健康メリット
1. ビタミンC(抗酸化作用・免疫力サポート)
キウイは果物の中でもトップクラスのビタミンC含有量を誇ります(100gあたり約70〜90mg)。犬は体内でビタミンCを合成できる生き物ですが、加齢・ストレス・運動量が多い犬などでは需要が高まり、外部からの摂取が有効とされることもあります。
犬への効果:●活性酸素の除去による老化防止 ●免疫細胞の活性化による病気予防
●抗炎症作用による関節や皮膚の健康維持
2. ビタミンE(抗酸化・血行促進)
ビタミンEは脂溶性ビタミンで、ビタミンCと協力して抗酸化力を発揮します。キウイに含まれるビタミンEは少量ながら、犬の健康にプラスです。
犬への効果:●血流の改善 ●皮膚のうるおい維持 ●細胞の老化防止、ガンや生活習慣病の予防
3. 食物繊維(腸内環境の改善)
キウイは水溶性と不溶性の食物繊維のバランスが良い果物です。整腸作用がある「ペクチン(可溶性繊維)」と、便のかさを増やす「セルロース(不溶性繊維)」が含まれます。
犬への効果:●腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌の抑制 ●便秘気味の犬に対する自然な排便促進
●整腸によるお腹の張りやガスの軽減
※ただし、摂りすぎると逆に軟便や下痢を起こすこともあるため適量が重要です。
4. カリウム(体内の水分・電解質バランスを調整)
カリウムは細胞の浸透圧や神経の働きに関わる重要なミネラルです。ナトリウム(塩分)の排出を促す作用もあります。
犬への効果:●高ナトリウム状態(塩分過多)の調整 ●むくみの予防 ●心臓や筋肉の正常な収縮をサポート
※腎臓疾患のある犬にはカリウム摂取を制限する場合もあるので注意が必要です。
5. 葉酸(細胞再生・赤血球の生成)
葉酸は細胞の増殖や再生に欠かせないビタミンです。子犬や妊娠中の母犬に特に重要ですが、成犬でも貧血対策としての役割があります。
犬への効果:●赤血球を正常に作る ●細胞の成長を助ける ●皮膚や被毛の健康維持
6. アクチニジン(たんぱく質分解酵素)
キウイ独自の成分で、たんぱく質を分解し消化を助ける酵素です。口に入れると少しピリッと感じる成分で、犬の胃腸に良い働きもありますが、消化機能が弱い子犬やシニア犬には注意が必要です。
犬への効果:●消化を助けて胃腸の負担軽減 ●手作り食で肉類を多く使うときに一緒に摂ると◎
※ただしアレルギーの原因になることもあるため、初回はごく少量で様子を見るのがベストです。
犬に与えるキウイの適量【安全重視派 vs カロリー理論派】
犬に与えるキウイの量は、「安全寄り」と「カロリー理論寄り」の2つの考え方があるようでが、ここでキウイのサイズを確認しておきます。このサイズについては、ごく一般的なものでキウイによっては多少の違いはあります。
上記写真はグリーンキウイ
●グリーンキウイ ●ゴールドキウイ
キウイサイズ小:Aは長さ約6㎝ Bは幅約4.8㎝ 重さは(皮つき)83g、可食部(皮なし)重量は約71g
この時のカロリー数は約●37kca カロリー数は約●42kca
キウイサイズ中:Aは長さ約6㎝ Bは幅約5.2㎝ 重さは(皮つき)97g、可食部(皮なし)重量は約83g
この時のカロリー数は約●44kca カロリー数は約●50kca
キウイサイズ大:Aは長さ約8㎝ Bは幅約5.8㎝ 重さは(皮つき)121g、可食部(皮なし)重量は約102g
この時のカロリー数は約●54kca カロリー数は約●66kca
※下記キウイ適量早見表はキウイサイズ小をベースにしています。
【安全重視派】健康第一!控えめに与える派
▶飼い主さんが一番気にしているのは「胃腸トラブル・アレルギー・糖分過多」。
●胃腸トラブル:キウイは食物繊維が豊富で、体調によっては下痢を引き起こすことがあります。特に下痢気味のときはキウイを与えない方が良いでしょう。
●アレルギー:キウイにアレルギー反応を示す犬もいますので初めて与える場合は少量から始め、アレルギー症状(かゆみ、嘔吐など)が出ないか注意しましょう。
●糖分過多:キウイには糖分が多く含まれているため、糖分過多の犬には与えすぎないように注意し、1日の摂取カロリーの10%程度に抑えましょう。
▶「主食の10%未満がおやつの限界」というガイドラインを基準を守る。
例えば体重5kgのトイプードルで、1日のフード量が150gなら:
※トイプードルの1日当たりのフード量は体重、年齢、運動量によって変動します。また、食事回数を減らす場合1日のフード量は、体重1kgあたり30~40gを目安にIDOG&ICATよりすると、5㎏のトイプードルの場合150~200gになります。
▶おやつは 15g以内 にすべき(10%以内ルール)
▶キウイなら 約20~30g[グリーンキウイで30gあたり約15kcal、ゴールドキウイで30gあたり約19kcal]
(小さめ1/2個以下)が限度
犬の体重別!キウイ適量早見表(安全寄り)
体 重 | キウイの目安量(1日あたり) |
---|---|
〜5kg | 約20〜30g(小さめ1/2個以下) |
5〜10kg | 約30〜50g(小さめ4/5個弱) |
10〜20kg | 約50〜100g(小さめ1〜1.5個弱) |
20kg以上 | 約100〜142g(小さめ2個弱まで) |
【カロリー理論派】栄養バランス優先で考える派
▶「おやつは1日の総カロリーの10%以内に収まればOK」と考える派です。
▶キウイのカロリーは100gあたりグリーンキウイ約51kcal、ゴールドキウイ約63kcal。
▶体重別に1日の必要カロリーを基準にして、おやつの上限を割り出します。
例えば体重5kgの犬の必要カロリーは1日約374kcal(※年齢・運動量で変動)
▶おやつカロリーは 37kcal以内 が目安(避妊・去勢済みの成犬の場合)
▶キウイなら 50~60g[グリーンキウイで60gあたり約31kcal、ゴールドキウイで60gあたり約37kcal]
(1/2〜2/3個程度・中サイズ) が上限
※おやつは基本の食事にプラスアルファで与えるのではなく、通常の食事の一部として管理することが大切です。ですので、他におやつを与えてしまうとカロリーオーバーになってしまいます。また、通常の食事量を減らす必要があります。食事管理をしっかりしていて、カロリー計算ができている場合や活動量が多く代謝の高い若い愛犬などには良いかもしれません。
▶️ どちらにしても「たくさんあげすぎない」のが鉄則です!特に初めて食べさせる場合は、目安の半量以下から始めると安心です。
犬にキウイを与えるときの注意点
犬に与えてよいと言われているものでも初めて与える際には、必ず少量から始めるようにしましょう。これはキウイも同じことです。アレルギーなどがないか様子を見ながら問題がなければ適量を与えるようにしましょう。もしも、口や目の周りが痒くなる、嘔吐などの症状が出た場合は、アレルギーを疑い、獣医師に相談してください。
さらに、キウイは水分量が多くたくさん食べると下痢を引き起こす可能性や糖度も高いので、肥満の原因にもなります。
また、キウイは体を冷やす果物なので、体調のよくないときや下痢気味の犬には控えた方が良いでしょう。
持病がある場合
腎臓病や心臓病:キウイにはカリウムが多く含まれており、腎臓の機能が低下していると、カリウムの排泄がうまくできず、血液中のカリウム濃度が高くなる(高カリウム血症)可能性があります。これは心臓に負担をかけ、健康を損なう可能性があります。
尿石症:キウイにはシュウ酸が含まれており、シュウ酸カルシウム結石を引き起こしやすい犬には注意が必要です。
キウイは犬に与えても良い果物ですが、持病のある犬や初めて与える際は注意が必要です。与える量や与え方、体調変化に注意し、必要に応じて獣医師に相談しましょう。
キウイを安全に楽しむために、次のポイントを必ず守りましょう。
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皮は必ずむく(繊維質が多く、消化に負担がかかる)
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種は基本OKだが、気になるなら除去(キウイの種は基本的に無害)
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小さくカットする(喉に詰まらせ防止)
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アレルギーに注意(初回は極少量から)
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冷たすぎるものは控える(胃腸に負担)
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砂糖漬けキウイ・加工品は絶対NG
「自然な状態で、ほどよい量を」と覚えておくと良いですね。
キウイを使った簡単手作りおやつレシピ
レシピ:キウイヨーグルトアイス
材料:
●キウイ(皮をむいたもの):1/2個
●無糖ヨーグルト:適量
作り方:
●キウイを小さく刻む。
●ヨーグルトに混ぜ、製氷皿に流し込む。
●冷凍庫で固めたらできあがり!
ポイント:
冷凍しすぎると固くなるので、室温に少し置いてから与えましょう。
まとめ
キウイは“バランス系栄養果実”
キウイは「これだけでビタミン・酵素・ミネラル・繊維」の全てを補える、まさに栄養バランスに優れた果物です。犬にとっても、適量を守れば健康サポートに役立つ果物としておすすめできます。
ただし、「酸味」や「酵素反応」で刺激になるケースもあるため、初回は細かく刻んで、小さじ1杯(5〜10g)程度から始めるのが安心です。適切な量と方法で、愛犬と一緒にキウイの美味しさを楽しんでくださいね!
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