犬に梨ってどうなの?デカプーと暮らす私の体験談!

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秋になると店頭に並び始める、みずみずしくて甘い梨。シャキッとした食感と爽やかな風味は、人間だけでなく犬にも魅力的な果物のひとつです。
でも、「犬に梨って与えていいの?」「消化に悪くない?」そんな疑問を抱く飼い主さんも多いのではないでしょうか。

今回は、実際に我が家のデカプー(体重11kgの男の子)に梨をあげたとき(一昨年の体験談)の反応やその後の様子を交えながら、犬に梨を与える際のメリット・注意点・体重別の目安量までを詳しくご紹介します。
「梨を愛犬に与えて大丈夫かな?」と迷っている方がいらっしゃれば、ぜひ参考にしてくださいね。

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そもそも犬に果物って必要なの?

まず、大前提として梨に限らず無理に果物を愛犬に与える必要があるのでしょうか?無理に与える必要性はありません。なぜなら、愛犬が毎日食べているドックフードには必要とされる栄養素はすべてカバーされているからです。

さらに、犬にも人間同様、好き嫌いもあれば、内蔵機能の弱い子や運動量の多い子、散歩があまり好きでない子もいます。これは犬種には関係なく個体差の違いです。

当然、果物には犬に必要な栄養素が沢山含まれているので、与える際には愛犬のその日の体調や病気などの有無、個体差を考慮したうえで果物の安全性(中毒、アレルギーなど)を確認する必要と過度の摂取に気をつけなければなりません。以上をふまえた上で数ある果物の中から梨についてのお話になります。

犬に梨を与えても大丈夫?危険な部位は?

梨の果肉部分は、基本的に犬が食べても問題ありません。シャキッとした食感や甘みは、犬にとっても魅力的で、おやつとして少量ならOKです。ただし「すべての部位が安全」というわけではなく、与えてはいけない部分も存在します。

ここでは、犬の健康に影響を及ぼす可能性がある「NG部位」とその理由について、項目別に詳しく解説します。

❌与えてはいけない部分①:芯(中心の硬い部分)
梨の中心には硬い「芯」があり、ここは繊維が多く消化が非常に悪い部分です。誤って飲み込むと喉や消化管を傷つけるおそれがあり、小型犬の場合は特に危険です。
また、芯は喉に詰まって窒息のリスクもあるため、必ず取り除きましょう。

❌与えてはいけない部分②:種(茶色い小さな粒)
梨の種には、微量のアミグダリンという天然の有毒物質(青酸配糖体)が含まれており、犬が大量に摂取すると中毒を起こす可能性があります。
1粒で中毒になることは稀でも、積み重なりが怖い部分です。うっかり食べてしまわないよう、カットする際は種の混入に十分注意しましょう。

❌与えてはいけない部分③:皮
梨の皮には食物繊維が多く含まれているため、人間にとってはヘルシーですが、犬にとっては消化しにくい部位になります。皮を食べたあとに、嘔吐・下痢・便がゆるくなるといった症状が見られるケースも。特にシニア犬や消化器系が弱い犬には、皮をむいた状態で与えるのが安心です。

❌与えてはいけない部分④:加工品(缶詰・ジュース)
一見「梨風味だから大丈夫そう」と思いがちな缶詰の梨やジュース類には、砂糖や甘味料・保存料が多く含まれている場合があります。中には犬にとって有害なキシリトールが使われていることも。加工された梨製品は与えず、必ず新鮮な生の果肉のみを与えましょう。

✅与えてもいい部分:果肉のみ
上記の危険な部位をすべて取り除いた「果肉部分」のみであれば、適量を守れば犬にとって安全なおやつになります。
特に、夏バテや水分補給目的として活用すれば、愛犬の健康にも良い影響を与えてくれるでしょう。

梨の栄養と犬へのメリットとデメリット

梨は果物の中でも水分が多く、甘さも控えめなことから、犬にとって比較的安全なおやつです。
ここでは、梨に含まれる代表的な栄養素について、「どんな犬におすすめか?」「どんな犬には注意が必要か?」という視点で詳しく解説していきます。

✅【栄養素①】水分(約88〜90%)
摂取した方が良い犬
水分摂取量が少ない犬/あまり水を飲まない犬/夏バテ気味の犬
梨は水分が非常に豊富で、ひとかけらで効率よく水分補給ができます。特に夏場や室内が乾燥する季節、水分をあまり摂らない犬には、梨で自然に補うことができるためおすすめです。
⚠️注意が必要な犬
下痢気味の犬/お腹が弱い犬
水分の摂りすぎは、消化が間に合わず、便がゆるくなることがあります。特に胃腸が繊細な子には、与える量を控えめにして様子を見ましょう。

✅【栄養素②】カリウム
摂取した方が良い犬
塩分の多いフードを食べている犬/むくみがちな犬
カリウムには、余分なナトリウム(塩分)を体外へ排出する作用があります。そのため、高ナトリウム食に偏りがちな子や、利尿作用をサポートしたい犬に向いています。
⚠️注意が必要な犬
腎臓疾患のある犬/心臓に持病がある犬
腎臓や心臓にトラブルがある場合、カリウムの代謝に支障が出ることがあります。体内にカリウムが蓄積しすぎると不整脈などの危険性もあるため、必ず獣医に相談のうえ与えるかどうか判断しましょう。

✅【栄養素③】食物繊維(主に不溶性)
摂取した方が良い犬
便秘気味の犬/腸内環境を整えたい犬
梨には、腸内の動きを刺激する不溶性食物繊維が含まれています。便通を促進する働きがあり、お通じが滞りがちな犬にはプラスに働く場合があります。
⚠️注意が必要な犬
慢性的な下痢のある犬/消化機能が弱い犬
不溶性食物繊維は消化されにくいため、腸を刺激しすぎる可能性があります。下痢体質の犬にはかえって逆効果になることもあるので注意しましょう。

✅【栄養素④】ソルビトール(天然の糖アルコール)
摂取した方が良い犬
便秘気味の犬に一時的に与える場合
ソルビトールには緩やかな下剤効果があり、少量なら便通のサポートに役立つことも。ただしあくまで補助的に。
⚠️注意が必要な犬
糖に敏感な犬/糖尿病の犬/下痢を起こしやすい犬
ソルビトールは甘味料の一種で、摂りすぎるとお腹がゆるくなったり血糖値に影響を及ぼす可能性も。糖のコントロールが必要な犬には向きません。

✅【栄養素⑤】果糖(フルクトース)
摂取した方が良い犬
健康な成犬が、おやつとして少量食べる場合
果糖は、脳や筋肉のエネルギー源にもなります。適量であれば活動量の多い犬の間食として活用できます。
⚠️注意が必要な犬
肥満気味の犬/糖尿病や膵炎の既往がある犬
果糖は血糖値に影響を与える糖質のひとつ。肥満や糖尿系疾患がある犬にはカロリー過多となる恐れがあるため、極力控えましょう。

我が家のデカプーが梨を食べた体験談!

犬が食べても(量、頻度、危険な部位を与えないなどを守る)問題がないとされる果物は沢山ありますが、梨もその一つです。犬の食事は毎日同じドックフードの繰り返しでチョット可哀想にも思えてしまいます。(人間だとすぐ飽きる)そんな時、与えようと思うきっかけは様々あると思いますが、大きくは2つ、「愛犬が欲しがる」と「飼い主さん側からあげてしまう」のどちらかではないでしょうか?

我が家の元気いっぱいのデカプー(体重約11kg・2歳7ヶ月)の場合、梨に限らず人間が食べている物に興味を示すことが多くあります。しかし、実際にあげようとして口元に差し出しても食べようとしないこともあるので、個体差やその時の体調などで食いつきに差が出るように思います。
今回は、食いつきや食後の様子、散歩時の変化や翌日のうんちまで、観察した結果をまとめています。

食べ方を含めた反応に注目!

(1)食いつき:★★★
我が家のデカプーは、身体が大きい割に神経質で初めて食べるものにはすごく警戒心が強く慎重です。梨も同様で、食べたくてそわそわしながら近寄ってきたときに、差し出しても食べようとはしません。ですが、飼い主が一度口に含んだものを差し出すと「パクリ」と食べてしまいます。これは、自分の好きな飼い主が食べたから大丈夫と警戒心が薄れた結果なのだと思います。
実際、野生の生まれたばかりの仔犬は自分で消化吸収することができない為、母親から直接口移しでご飯を貰っていますので、その名残が個体差によってはあるのかもしれません。
一度食べた後は、安心したのか催促が始まりますが、あげ過ぎてしまうと下痢などの不安もあるので2口、3口に留めておきましたが、デカプーにとっても好みの味だったようです。

(2)食後の様子:★★★★★
最初は様子見もあって少量だったこともあり普段の様子と変わるところもなく、食べた後は少量のわりには満足そうで、落ち着いてお昼寝モードに。嘔吐などの不調は一切ありませんでした。

(3)散歩での様子:★★★★★
いつも通り軽快な足取りで散歩へ。散歩中も特にテンションが高まることも低下することもありませんでしたが、元々我が家のデカプーは散歩だと悟ると興奮する方なので、散歩では動きがとても激しくなります。例えば、急に走り出したり、いきなり止まったり、匂いを嗅ぐために、右に行ったり左に行ったりと元気いっぱい。そんな中でも特別、変化がないので全く問題ありませんでした。

(4)翌日のうんち:★★★★★
いつもどうりで、色や量、匂いに異常はありませんでした。水分の多い梨ですが2口、3口では健康的には全く問題ありませんでしたが、量が増えた時は多少の変化はあるかも知れません。

梨以外にも愛犬が食べられる果物は他にもあります。宜しければ参考まで下記よりご覧ください。
 👉犬が食べられる果物一覧はこちら

犬に与える量の目安(体重別)【1日分・カロリー基準】

梨は水分たっぷりでカロリー控えめな果物ですが、それでも与えすぎはNGです。
おやつとして与える際には、「1日の摂取カロリーの10%以内」に抑えるのが基本とされています。以下はそれを参考に算出した「1日分の理論上の上限量(果肉のみ)」です。

梨の100gあたりのカロリーは約38kcal。
例えば体重5kgの犬の場合、1日の総摂取カロリーの約10%にあたる約37kcal(=梨97g程度)が理論上の上限となります。
ただし、初めて与える場合はこの量を与えないでください。
果物は犬の体質によっては消化不良やアレルギー反応を引き起こすことがあるため、まずは1〜2口(5〜10g)から
始めて、体調に変化がないかしっかり観察しましょう。

犬の体重 1日あたりの梨の目安量(最大) カロリー目安 初回におすすめの量(安全重視)
~5kg 約90〜100g 約35〜38kcal 約5〜10g(小さじ1〜2程度)
6〜10kg 約100〜140g 約38〜53kcal 約10〜15g
11〜15kg 約150〜180g 約57〜68kcal 約15〜20g
16〜20kg 約180〜220g 約68〜83kcal 約20〜25g
21〜30kg 約220〜280g 約83〜106kcal 約25〜30g

※与える際は必ず皮・芯・種を取り除いた果肉部分のみを使用してください。
※体調に変化がないことを確認してから、数日に1回ペースで与えるのが理想です。
※定期的にあげる場合は、総カロリーとバランス(主食+おやつ)を管理することが大切です。
また、詳しいカロリー計算式については下記をご覧ください。
カロリー計算方法

まとめ

梨は、みずみずしくて低カロリーな果物として、犬にとっても嬉しいおやつになり得ます。
ただし、与え方や量、危険な部位には注意が必要。体を冷やしやすい性質もあるため、体質や季節に合わせた与え方を心がけましょう。

我が家のデカプーのように、梨に目がない子も多いはず。ぜひ愛犬とのおやつタイムに取り入れて、シャリッとした幸せを一緒に味わってみてくださいね。

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