軟便になるのは何故?健康な犬でも散歩で何回もウンチをしてしまう!

この記事は約7分で読めます。

毎日、犬の散歩をしていると気になる事が幾つかありますが、その一つにうんちの回数があります。健康なのに何回もウンチをしてしまう。今、ウンチをしたばかりなのに少し歩いては、またウンチ。もう終わりかなと思いきや、またしてもウンチ。そして回を重ねるごとに徐々に軟便になってくる。チョット心配になったことありませんか?そこで、今回は回数が増えるごとに軟便【形にはなっているが掴みにくい状態】になってくる理由についての解説です。

スポンサーリンク

何回もウンチをすると軟便になってくるのは何故?

軟便になってくるのにはいくつかの理由がありますが、その理由について詳しく解説いたします。

散歩で腸の働きが活発になるため

成犬前のコは食事の回数が多いうえに、消化器官が発達途上であるためウンチの回数も1日に5~6回位で自然と多くなります。その後、成長し【一年後位】成犬になると食事は一般的に1日2回位と落ち着いてきてウンチの回数もそれに伴い1日に1~3回位と少なくなってきます。

我が家の愛犬コタ2も生後半年過ぎ位までは食欲もありウンチの回数も多く、時には消化不良気味で下痢状態の時が何度かありました。そのコタ2も1歳半を過ぎ成犬になりましたが散歩のときに、ほぼ毎回3回位はウンチをします。そして1回目より2回目、2回目より3回目と徐々にウンチが軟便になってくるので気になっていました。

最初は病的なものかと心配になりましたが、病院に行かず様子を見ることにしました。原因は散歩で嬉しさのあまり興奮し動きまわることで腸の動きが活発になるとウンチの回数が増える傾向があるようです。振り返ってみるとコタ2の場合は散歩の時の動きが激しく、とにかくよく動き回っていました。

そこで、気になる胃腸の働きについて見ていきます。

◆愛犬が食事をしてから排便までの経路と所要時間について

1. 口 ➡ 食道 ➡ 胃【主な働きは貯蔵と消化の準備】
犬の食事は私たち人間と違い咀嚼することなく丸呑みすることがほとんどで、犬の場合は唾液には消化酵素はありません。口から入った食べ物は食道を経由して唾液と共に胃に達します。胃では、小腸で本格的な消化吸収をするための蠕動(ぜんどう)運動【曲がりくねるような動き】で胃液と混ざり合い撹拌され、お粥のような状態になります。
この胃液の成分は胃酸、ペプシノーゲン、粘液が主な成分でペプシノーゲンは胃酸と混ざることでペプシン【植物性たんぱく質より動物性たんぱく質の消化に果たす役割が大きいようです】という消化酵素に変化し栄養を吸収しやすい状態にし約2時間かけて消化への準備が進んでいきます。また、消化中の食べ物は強酸性の胃酸により殺菌されます。【強酸性の胃酸は粘液、生理活性物質により胃は守られています】

2. 小腸【胃に近い方から順番に十二指腸、空腸、回腸といわれています】

十二指腸、空腸、回腸の明解な境界はありません。小腸の最初の領域が十二指腸で十二指腸を除いた小腸の口側5分の2が空腸、残りの5分の3【肛門側】が回腸といわれています。

本格的な消化吸収をするため幽門(ゆうもん)を通り胃から徐々に十二指腸へ運ばれます。さらに、膵臓からは膵液が、肝臓からは胆汁が流れ粘稠(ねんちゅう)な腸液とともに混ざり合い消化酵素により、脂肪は脂肪酸とグリセリンに、タンパク質はアミノ酸に、炭水化物は単糖にと完全な消化作用が始まります。消化に要する時間は約1時間
栄養素は十二指腸に続く空腸から回腸でほとんどが吸収され血液中に取り込まれます。【小腸で栄養を吸収した血液は門脈を通って肝臓へ。肝臓では血液の加工と貯蔵、血液中の有害成分の解毒をした後、肝静脈を経て心臓へ】

栄養素が吸収された後の不要な物質は【約20%の水分を含め】大腸へ送られます。水分の約80%程度は小腸で吸収されます。

膵液の役割……消化のための中心的な酵素アミラーゼ、リパーゼ、トリプシンなどが分解した食べ物を体内に吸収しやすい大きさにする。さらに、十二指腸内腔に流入した胃酸を中和化する。
胆汁の役割……肝臓で作られた後に胆嚢に貯えられており胆管を通じて十二指腸内に分泌され脂肪を水に溶けやすくし小腸での吸収をしやすくする。胆汁はアルカリ性ですが胃を通過して十二指腸や小腸に入った内容物のphは酸性から中性へ中和化されます。

3. 大腸【盲腸、結腸、直腸】➡ 肛門
小腸から大腸へ送られた不要な物質は、まだ残っている約20%の水分を吸収し固形化され便として肛門から排泄されます。また、結腸や直腸は一時的に便を貯蔵する役割も担っています。大腸では約12~24時間をかけてゆっくりと水分が吸収されていきます。

軟便になる理由

愛犬が食事をしてから便として排泄されるまでの流れを見てきましたが、ここで注目したいのが大腸に運ばれてきた不要な物質の中には、まだ20%の水分が残っているということです。
散歩で愛犬が嬉しさのあまり動き回ることで腸が刺激され、結腸や直腸に貯蔵されていたものが一定量に達する前に排泄されてしまい、さらに不要な物質までもが水分を十分に吸収しきっていない状態で何回も繰り返し排泄されることで軟便状態が続くようになってしまいます。
それでも、最初に出るウンチの形や色に問題がなければ、その後の便が軟便でも問題はないようです。ここまでが健康時に軟便が繰り返される場合のお話でした。

しかし、最初から軟便の状態が何日も続くようであれば病院で診てもらうことをお勧めします。また、個体差があり軟便になりやすいコもいれば、なりにくいコもいます。

散歩時間以外でも軟便や下痢になることがある

散歩で興奮し腸が刺激を受け軟便になる以外にも、食事内容や誤食、ストレスによっても起こることがあります。

1. 食事の場合
普段、食べている物でも食べ過ぎてしまうと軟便になったり体調によっては下痢になってしまうこともあります。ドックフードでも古くなってしまうと微生物が作り出す毒素によって下痢を引き起こすこともあります。

犬は元々肉食性でしたが人間と生活をするようになり摂取する食物の変化で半肉食性【人間に近い雑食】へと変化してきました。基本的にはドックフードの食事が一番なのですが、いつも一緒にいると愛犬の欲求に負け、つい私たちが食べているものをあげてしまう事もあります。【良くないことですけど、ついあげてしまう】

犬は人間に比べ消化管が短いため肉や魚類に比べ食物繊維の多い野菜【ブロッコリー・キャベツ・人参・カボチャ等】や果物【りんご・みかん・いちご・バナナ等】、穀類、豆類、芋類【サツマイモ・ジャガイモ等】は消化が難しいため、腸の蠕動(ぜんどう)運動により便の中の水分を保つことで食物繊維を排泄しやすくする役割担っています。しかし、たくさん摂取してしまうと大腸で水分を再吸収する前に排泄されてしまうため軟便や下痢を引き起こす原因になってしまいます。

愛犬に下痢の症状がある時に、しぶり【何度も排便姿勢をとってもウンチが出ない様子】がある場合は主に大腸が炎症によって刺激を受けていることが多いようです。

また、おやつ、歯磨きガムの与えすぎや人間の食べ物などでも軟便や下痢の原因になってしまいます。特に歯磨きガムは1日当たりの本数を守って与えるようにしましょう。さらに、食物アレルギーが関係していることもありますので愛犬の下痢が続くようであれば動物病院での検査も欠かせません。

2. 誤食の場合
散歩で誤食をすることで下痢を引き起こすこともあります。愛犬がつい口にしてしまいそうな物が沢山落ちていますので飼い主さんの注意が必要です。誤食をした場合、下痢ですめばよいのですが物によっては食道や胃、腸などの閉塞を起こすこともありますので誤食をしてしまった場合は自己判断をせず、すぐに動物病院で診察を受けるようにしましょう。

3. ストレスの場合
生活環境が変わることで緊張からストレスを感じ内臓の機能が低下し下痢の症状を起こすことがあります。
例えば、お家の引越、お家周りの騒音、長時間のお留守番、ペットホテルでのお泊り等々ちょっとした変化に敏感な愛犬にとってストレスは大敵です。

まとめ

散歩で犬が何度もウンチをしてしまうと軟便になることが多くなる傾向にありますが、最初に出るウンチに問題がなければ過度に心配をする必要はないようです。しかし、最初から軟便や下痢の場合は大腸に炎症がある可能性もあります。ウンチは健康のバロメーターでもありますので、少しでも気になる事があれば迷わず動物病院で診てもらいましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました