愛犬にとって楽しいはずの散歩。ですが、飼い主さんが自転車に乗り愛犬を走らせている危険な光景を見かけることがあります。こうなってしまうと散歩と言うより犬に対してのいじめにしか見えません。愛犬達はどう思っているのでしょうね?もし、口が効けたら『オシッコもウンチもゆっくりできないし、クンクン情報収集も出来なくて自転車で走らされるのは危険だしつまんないな』と言うかもしれませんね。
そこで、今回は自転車で犬を散歩させることはどうして危険なのか何が良くないのかについてのお話になります。皆さんも一緒に考えてみてください。
自転車で犬の散歩をすると何がいけないのか?
私も実際に飼い主さんが自転車で犬を散歩させているのを見た事が何度かあります。その一例は、ハンドルは片手で、片手にリード握り坂道をブレーキをかけることなく猛スピードで下っていくと言うものでした。私も犬の散歩中で、他にも歩行者がいたのでとっても危険だなと思いました。この状況では事故が起きて当然ですね。
歩行者、犬や飼い主さんの安全性が保てない
通常の散歩でも屋外ですので危険はつきものですが、自転車の場合は風の強い日などは安定性を欠きより危険度が増し何が起きるか予測がつきません。
安全性が保てない理由 1.予測のつかない動き
犬は臆病なコも多く、突然聞こえてきた音にビックリし予測のつかない動きをします。急に止まったり、違う方向に走りだしたりする危険性もあり、片手運転で不安定な体勢だとハンドルを取られ転倒し愛犬を巻き込む事故につながりかねません。
安全性が保てない理由 2.注意力散漫になる
周りを気にしながら(歩行者、子供の飛び出し、他の自転車、車)走っていることで注意力が散漫になり愛犬の動きまで注意が行き届かず体調の急変に気づくことなく走り続けると、取り返しのつかない危険性があります。また、ロングリードの場合、愛犬が前を走ったり後ろだったりすることで車などとの思わぬ事故にあう可能性が高くる。さらに、周りとは逆に愛犬ばかりに気を取られていると歩行者や他の自転車、車などとの事故も起こりえる。
最悪なのは片手がハンドルでもう一方の手はリードそして耳にはイヤホン。これでは周りの音も聞こえず愛犬の散歩はどこえやらで、飼い主さんだけが楽しむ散歩になってしまいます。
安全性が保てない理由 3.首を傷める、足のケガ、逃げ出してしまう
飼い主さんが急に自転車を止めたり逆に愛犬が突然走るのをやめた場合には愛犬の身体にかかる負担は計り知れません。自転車を急ブレーキで止めた場合どうなるでしょう。装着しているのがハーネスだとしても胸や首(頸部)などが強く引っ張られることで気管虚脱を引き起こしす原因になってしまう事もあります。これが首輪だと危険性がさらに高まります。
愛犬が突然走るのをやめた場合には引きずられてしまい足のけがや肉球を傷めてしまう可能性もあり、首輪の場合ですと首輪がはずれ愛犬が逃げてしまうことも十分に考えられます。
気管虚脱とは器官の形状は通常は筒状ですが、これが潰れてしまい呼吸が出来なくなってしまう。
犬のストレスが溜ってくる
そもそも愛犬との散歩は飼い主さんとのコミュニケーションの場でもある。自転車で愛犬をただ走らせるだけではコミュニケーションを取ることは出来ない。どれだけ走る事が得意な犬でも毎日、自転車で走らされていては疲れと同時にストレスも溜ってくる。
ストレスが溜まる理由 1.行動制限
愛犬が散歩で何かをしたいと思った時に何も出来ないとストレスが溜まりやすくなります。例えば、『排泄』をしたくても出来ないことや、そのコが『気になった場所』があってもに立ち寄ることができない、『チョット休みたいなと思った時』に休めないなどの行動制限を受ける自転車での散歩はストレスが溜まる危険性が高くなります。
ストレスが溜まる理由 2.散歩の仕方
愛犬が散歩をする本来の目的のひとつがストレス解消です。それは、探索欲求を満たすことである程度解消できますが、自転車の散歩ではその目的を果たすことは出来ません。逆にストレスが溜ってしまいます。自転車での散歩を続けることで散歩嫌いになる危険性もあります。ですので、一番望ましい散歩の仕方は、愛犬の欲求を満たすことのできる飼い主さんと共に歩く散歩が大切になります。
ストレスが溜まる理由 3.コミュニケーション不足
愛犬とのコミュニケーションの取り方は色々な方法がありますが、散歩中のコミュニケーションも欠かせません。何故なら、コミュニケーション不足こそが一番のストレスになる可能性が高いからです。散歩中であっても身体に触れながら色々と話しかけたり、疲れてきたなと感じた時には『少し休む?』と声掛けをしたり、物音がした時に立ち止まってしまったら『大丈夫』と声をかけながら撫でてあげコミュニケーションを取ってあげましょう。これらは自転車の散歩では出来ません。
道路交通法違反になる
近年、自転車によるトラブルや事故も多くなり利用者のモラルを求められることが多くなっています。
道路交通法違反になる理由 ……片手ハンドルによる不安定な運転
例えば、雨の日の傘を差しながらの片手運転、片手に荷物を持ったり肩に担いでの片手運転やスマホを操作しながらの、ながら運転などはいずれも危険を伴うため道路交通法違反になります。
自転車による犬の散歩も同様で、片手にリードをもっての片手運転やリードをハンドルに固定せて両手で運転したとしても、犬の急な動きによっては操作の安定性を欠くため違反になります。
警視庁ホームページ自転車通行法〇×クイズもご覧ください。(Q8)
仮に、違反した場合道路交通法違反になり3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金。また、歩行者を巻き込んでしまった場合には刑法の「重過失傷害」による罰則、民事による相手への「損害賠償」の支払いが発生する可能性もあります。賠償金額は怪我の度合いや休業期間中の保証、後遺症が残った場合などにより大きく変わってきます。
まとめ
愛犬との自転車による散歩は飼い主さんのみならず、愛犬を危険な事故に巻き込んでしまう恐れがあります。場合によっては第三者をも危険にさらしてしまうかもしれません。そうならない為にも、共に歩く安全でコミュニケーションが図れる散歩を楽しみましょう。くれぐれも、大切な愛犬と自転車での散歩は絶対にやめましょう。
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