
トイプードルは“超小型犬”として人気が高い犬種ですが、子犬期にみるみる大きくなり、生後7ヶ月頃には平均サイズを超えてしまうケースが時々あります。
特に生後4〜6ヶ月は成長スピードが最も早く、7ヶ月を過ぎると一度食欲が落ち着き、1歳前後でほぼ成犬サイズに到達します。しかし、個体差によってはその後も体格が大きくなることがあります。
この記事では、トイプードルによくみられる「先祖返り」の仕組みと、我が家の愛犬コタ2がなぜここまで大きくなったのかを詳しく解説します。
我が家のデカプー・コタ2の成長例
我が家の愛犬・コタ2は、血統書上では正真正銘のトイプードルですが、その成長過程は一般的なトイプードルの枠を大きく超えていました。生後2カ月の頃は手のひらサイズで、ショップのスタッフからも「小柄な子になりそうですね」と言われていました。しかし、生後4〜6カ月あたりから急激に体つきが変化し、骨格がしっかりと広がり始めました。詳しいデカプーの成長スピードやサイズ推移については、デカプーの成長記録に整理しています。特に胸まわりと足の長さが顕著で、成長曲線が緩やかになるはずの7カ月を迎えても体高・体長ともに伸び続けていたのです。
現在のコタ2のサイズは、
体高35cm、体長45cm、体重11.5kg。
一般的なトイプードルの平均値(体高24〜28cm/体長25〜30cm/体重3〜4kg)と比較すると、明らかに大きく、体格はミニチュアプードルとミディアムプードルの中間に近いレベルです。特に体高と体長がバランスよく伸びているため、単なる肥満ではなく「骨格そのものが大きく発達したタイプ」であることが分かります。
この成長パターンを見て最も可能性が高いのが、犬の世界で時折見られる “先祖返り(アトアヴィズム)” という遺伝的現象です。トイプードルの祖先は、もともと大型犬に分類されるスタンダードプードル。水猟犬として活躍し、体力・骨格ともにタフで大柄な犬でした。長い歴史の中で小型化が進んだとはいえ、遺伝子のどこかに残っている“祖先の設計図”が、何世代かに一度のタイミングで現れることがあります。
コタ2も、まさにそのパターンです。両親は小柄で、幼少期の体重も平均から大きく外れてはいませんでした。しかし骨格の強さや足の長さ、胸の厚みなど、後から見返すと「大型化する要素」が少しずつ現れていました。生後6カ月と1歳の写真を比べると、胸の張りや後肢の筋肉量が明らかに違い、骨格がしっかりと成犬の形に近づいていることがよく分かります。
トイプードルは体重だけが増える“肥満型”と、骨格から大きく成長する“先祖返り型”を見分けにくいと言われますが、コタ2の場合は体高・体長・体重がすべて一貫して増えており、バランスが取れた成長をしています。この点も、遺伝的な大型化の特徴そのものです。
もちろん、大きく育ったからといって心配する必要はありません。体格に合った運動量や食事管理を行えば、健康寿命に影響はありませんし、むしろしっかりした骨格のおかげで関節の負担が分散されるメリットもあります。
犬の体高・体長の測り方(正しい基準)
犬のサイズを正しく判断するためには、まず“基準となる測り方”を理解しておくことがとても重要です。特にトイプードルのように、体重だけでは大きさを判断しにくい犬種では、骨格の大きさを示す「体高」と「体長」が最も信頼できる指標になります。この2つが正しく測定できてはじめて、「平均より大きいのか」「肥満なのか」「先祖返りで骨格がしっかりしているのか」が明確になります。
体高(たいこう)
体高は、犬が四足で自然に立った状態で、地面から前足付け根の肩(キ甲/きこう)までの高さを測ります。メジャーで背中を測りがちですが、あくまで基準は肩の一番高い位置です。犬が座っていると正しく測れないため、できれば誰かに軽く保持してもらい、正しい姿勢をキープすると誤差が少なくなります。
体長(たいちょう)
体長は、胸の付け根(肩甲骨あたり)から、尻の付け根(尾の生え際の手前)までを一直線に測った長さです。ここで犬の“頭”と“尻尾”は含まない点が重要。特にプードルは尻尾の長さに個体差があり、頭部も毛量で大きく見えるため、骨格だけを客観的に測る必要があります。

測定時の注意点
・ふわふわの被毛は一切含めない
・トリミング前後で数値が変わらないのが正しい測り方
・毛が長い場合は軽く押さえてボディラインを出して測る
・同じ場所で2〜3回測って平均値を取ると信頼度が上がる
こうした基準で測ると、犬の“本来の骨格サイズ”が把握できます。実際にコタ2を測る際も、この正しい基準に従って計測したところ、
体高35cm/体長45cm
という数値が出ました。トイプードル平均(体高24〜28cm、体長25〜30cm)と比較すると明らかに大きく、単なる体重増加ではなく、骨格そのものが成長していることが一目瞭然です。
なお、体重だけを見ると「少し太っているのかな?」と誤解されやすいものですが、体高と体長のバランスを併せて判断すると、肥満なのか骨格成長なのかが正確に分かります。コタ2のように体高・体長・体重がすべて比例して増えている場合、典型的な“先祖返り型の大型化”であり、健康に問題はありません。この正しい測定基準を知っておくと、今後の成長管理や肥満チェックにも大いに役立ちます。
そもそも「先祖返り」とは?
プードルには、実は4つの公式サイズがあります。
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スタンダードプードル:45〜60cm / 20〜30kg
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ミディアムプードル:35〜45cm / 15〜18kg
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ミニチュアプードル:28〜35cm / 6〜8kg
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トイプードル:24〜28cm / 3〜4kg
JKC(ジャパンケンネルクラブ)の血統書がある場合、両親・祖先ともに「トイプードル」であることは確実に証明されています。しかし、血統書がトイプーであっても、骨格そのものが大きく成長する個体が一定数存在します。
この現象が、一般に 「先祖返り(アトアビリティ)」 と呼ばれるものです。
数世代前の祖先が持っていた 体格の大きさ・骨量・体高の特徴 が、何代も後になって突然強く表れることがあり、これ自体は自然な遺伝の揺らぎです。
もちろん 病気や遺伝異常ではありません。
成長とともに骨格がしっかりしてきた場合、「育て方の問題なのでは?」と不安に思う飼い主さんもいますが、それは誤解で、体格は基本的に遺伝で決まります。
こうした背景を理解しておくと、「うちの子はトイプーなのに大きい…」という心配が、無理に“何らかの原因”を探す必要がないことにも気づけます。

個体差の原因には“先祖返り(Throwback)”も関係すると言われています。
先祖返りが起こりやすい理由
トイプードルのルーツをたどると、最初に存在していたのは 大型犬であるスタンダードプードル です。そこから長い歴史の中で、
スタンダード → ミディアム → ミニチュア → トイプードル
という順に、徐々に小型化されてきました。
つまり、現在のトイプードルにも 「より大きなサイズだった頃の遺伝子」 が確実に受け継がれています。
犬の体格を決める要素は、実は単一の遺伝子ではなく、いくつもの遺伝的要因が組み合わさって決まる多因子遺伝です。そのため、両親が小柄であっても、
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祖先が持っていた「骨量の多い遺伝子」
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「体高が伸びやすい遺伝子」
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「筋肉や胸郭が発達しやすい体質」
といった要素が、数世代後の子に まとめて強く表れる ことがあります。
これが「先祖返り」が起きる理由です。
その結果として生まれるのが、“規格より大きく成長したトイプードル(いわゆるデカプー)” というわけです。
決して珍しい異常ではなく、犬種改良の過程を考えればごく自然な現象だと言えます。

1歳6ヶ月で10㎏

2歳で11㎏
コタ2で先祖返りを検証してみる
実際にコタ2の体格データを、一般的なトイプードルの平均値と比較してみると、その違いは非常に明確です。トイプードルの平均は、体高24〜28cm、体長25〜30cm、体重3〜4kgとされています。それに対してコタ2は、成犬時点で体高35cm、体長45cm、体重11kg。数字だけを見ると一見「大きすぎるのでは?」と心配になりますが、重要なのは“比例のバランス”です。コタ2の場合、体高・体長ともに平均より大きく、かつ体重もその骨格に見合う形で増えている点が特徴的です。
このサイズの伸び方から考えると、コタ2はミニチュアプードル〜ミディアムプードル寄りの骨格を受け継いだ可能性が高いと推測できます。特に成長の転換点となったのは1歳前後で、この頃から胸郭がぐっと広がり、肩周りや背中のラインに厚みが増していきました。体つきがしっかりと安定し、大きめの犬種に見られるような骨太さが現れ始めたのがこの時期です。これは単なる体重増加ではなく、“骨格そのものが成長していく過程”が見て取れます。
実際、デカプーと呼ばれる子の多くは、このように骨格のサイズが遺伝的に大きく出る傾向があります。祖先であるスタンダードプードルからミニチュア・トイに小型化されていく中で、大きい方の遺伝子が潜在的に残りやすく、それが世代を超えて突然強く表れる現象が先祖返りです。血統書がトイプードルであっても、こうした“サイズの跳ね上がり”は決して珍しいわけではありません。
コタ2の体型を触診してみても、脂肪で大きくなったタイプではなく、胸骨の張りや胸郭の広さ、足の長さなど、全体的に骨格が伸びた結果としての大きさであることが分かります。腰にくびれもあり、肋骨にも軽く触れられるため、肥満ではなく骨格大型のトイプードルに分類されます。
こうして数値・成長の時期・体つきの変化を総合的に見ても、コタ2の大きさは“自然な遺伝的変異による成長”と判断できます。まさに、デカプーと呼ばれる子に多く見られる典型的な成長パターンと言えるでしょう。
先祖返りでも「運動量」はとても重要
コタ2のように先祖返りによって骨格がしっかり大きく成長したトイプードルの場合、運動量は特に重要なポイントになります。体格の大きいデカプーに必要な散歩量については、散歩量のリアルで詳しく紹介しています。そもそもトイプードルは、祖先であるスタンダードプードルの影響を色濃く受け継いでおり、「活発で運動が好きな犬種」という性質を持っています。元々は水辺の作業犬として働いていた歴史があるため、体を動かすことが本能的な喜びでもあります。この“運動好きな本質”は身体の大きさに関係なく共通していますが、骨格が大きく育った個体では、さらにエネルギー消費の必要性が高まる傾向にあります。
運動が不足するとどうなるかというと、まず体重管理が難しくなります。骨格が大きい子ほど体重が増えても気づきにくく、気づいた時には脂肪がつきすぎてしまうケースも少なくありません。また、筋力が不足すると関節への負担が増し、歩き方が不安定になったり、年齢を重ねた際に関節疾患を引き起こしやすくなります。さらに運動はストレス発散や精神面の安定にも直結しており、散歩・遊び・探索行動は犬の“心の健康”を保つためにも欠かせない要素です。
一般的なトイプードルの場合、1日の散歩時間は30〜60分程度が目安とされています。しかし、コタ2は骨格がしっかりしているためか、1時間半〜2時間というやや多めの運動量でちょうど良いバランスが取れています。もちろん、これは単に大きいからという理由だけではなく、性格的に“動くことが好き”という個体差も影響しています。特に若い時期はエネルギー量が多く、散歩や遊びの質がそのまま生活全体の満足度に影響するため、適切な運動量を見極めることが大切です。
また、避妊・去勢後はホルモンバランスの変化により太りやすくなる傾向があり、運動量を少し増やしたり、食事管理を丁寧に行うことが重要です。運動と食事はセットで考えることで、体重が安定しやすく、肥満による体調悪化のリスクを予防できます。
先祖返りで大きく育った子はその分エネルギー量も豊富で、“動くことで心身が整う”傾向が強く出る場合があります。体格に合わせて運動の質と量を調整しながら、健康維持と満足度アップの両方を実現することが、デカプーとの暮らしをより充実させるポイントです。
トイプードル以外で先祖返りしやすい犬種
先祖返りという現象はトイプードルだけに起こる特殊なものではなく、犬種の歴史をたどるとさまざまな犬に見られる可能性があります。特に「祖先が大型犬であり、長い歴史の中で徐々に小型化されてきた犬種」は、遺伝的に“元の大きさに戻ろうとする力”が残っている場合が多く、先祖返りが起こりやすい傾向にあると言われています。その代表例がポメラニアンとチワワです。
● ポメラニアン
ポメラニアンは現在こそ体高18〜24cm、体重1.8〜3.5kgほどの小柄な犬種ですが、ルーツをたどるとサモエドなどの中型〜大型のスピッツ系犬が祖先になります。かつては20kg以上あるような犬も多く、牧羊犬として働いていた歴史があります。こうした大型犬の遺伝情報が残っているため、骨格がぐっとしっかりした“大きめポメラニアン”が生まれることも珍しくありません。実際に「5kgを超えるポメもいる」といった話は飼い主の間でもよく耳にします。

● チワワ
チワワですが、現在は体高15〜23cm、体重1.5〜2.5kgほどの世界最小クラスの犬として知られている一方、ルーツとされる“テチチ”と呼ばれる古代犬は10kg未満の中型犬だったと考えられています。そのため、骨格や体つきがしっかりしたチワワが一定数存在し、「うちの子はチワワにしては大きいのでは?」という声が多いのも、この歴史が関係しています。
ただし、これらの犬種以上に先祖返りが顕著に見られると言われているのがトイプードルです。その理由は、プードルという犬種そのものが「スタンダード → ミディアム → ミニチュア → トイ」という流れで段階的に小型化されてきた歴史を持つことにあります。系統がずっと同じ“プードルの血”で繋がっているため、遺伝子の安定性が高く、過去の大きさを引き継ぐ力も強く残りやすいのです。簡単に言えば、他犬種より“先祖の姿が浮上しやすい構造”を持っているわけです。
そのため、トイプードルでは体高が大きく伸びたり、骨格がしっかりした個体が一定の割合で生まれ、いわゆるデカプーとして育つケースが珍しくありません。これは遺伝的な個性であり、決して異常ではありません。むしろプードルという犬種の奥深い歴史が生み出す自然なバリエーションと言えるのです。
まとめ:先祖返りは起こりうる自然な現象。大切なのは“健康”
ChatGPT:
よくある質問(FAQ)
Q1. デカプーは成長しても性格は大きく変わりますか?
「落ち着きが出る」「甘え方が変わる」などの変化は見られます。
特にデカプーは知的で人の気持ちに敏感なため、飼い主のライフスタイルの影響を
よく受けます。
Q2. 散歩量にムラがある日は、どう補えば良いですか?
デカプーは体力がある反面、頭を使った遊びで満足度が大きく上がる犬種なので、
散歩が短くても“心の充足”を補えば機嫌よく過ごせます。
Q3. 体重11〜12kgのデカプーは、中型犬として扱うべきですか?
**体重帯で考える方法が最も実用的** です。
11〜12kg帯は“運動量がやや多めになるゾーン”なので、
食事量、散歩時間や遊び方を“小型犬よりやや多め”に調整すると管理しやすくなります。
Q4. 成犬になって食事量が減ったのに体重が維持されるのは普通?
「運動量と食事量のバランス」が一定に整っていく時期。
食事量が減るのに体重が維持されるのは、太りにくい安定期に入ったサインです。


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