「大きめトイプードル=デカプー」と暮らして2年半。甘えん坊で賢いけれど、時に“聞こえないフリ”や“なぜ今?”の行動で、こちらの想像を超えてくる――そんな日常を、今回は「しつけ」と「行動」面から振り返ります。
トイプードルの中でもデカプーは体格もパワーも違います。引っ張り癖、来客対応、無駄吠え、トイレトレーニング…すべてが“ちょっと大変”。でも同時に、根気よく向き合えば確実に応えてくれる優しさも持ち合わせています。
しつけに正解はないけれど、「うちの子はこうだったよ」という体験は、きっと誰かのヒントになる。そんな思いで第3回をお届けします。
デカプー引っ張り癖のパワー凄し!しつけで実感した制御の難しさ
我が家のデカプーは、生後半年を過ぎた頃から急に「引っ張り癖」が目立ち始めました。最初はトイプードルのはずだったのに、成犬を過ぎると12kg。力強さはまさに中型犬クラスで、散歩になるとグイグイ引っ張るのでリードを持っていても腕が伸びっぱなしで痛くなることもしばしば。
散歩に出かける前から、散歩の時間が近づいてくるとそれだけで興奮スイッチが入りそわそわし始める。外に出るとすぐ地面に鼻を擦り付けながらグイグイ引っ張り始め、散歩中はその行動が続く。途中で知り合いのワンちゃんとその飼い主さんを見かけると、グイグイ引っ張る行動からダッシュえとギアチェンジする。こうなると、ついていくしかない。
飼い主さんのもとえたどり着くと、飼い主さんの足に両手(足)でしがみつき放さない。ワンちゃんはそっちのけ。それだけ我が家のデカプーはひとが大好きでフレンドリーです。
しかしながら、その行動を受け入れてくれる飼い主さんもいれば、そうではない飼い主さんもいるので、しつけはしっかりしなければいけない。飼い主さんに抱きつく行為は我が家のデカプーの方が分かっていて、嫌がる飼い主さんには初めから近づいてはいかないのでその点は助かっています。
問題は引っ張り癖です!
「ダメ」や「待て」や「おすわり」のコマンドも、テンションが高いと届かないことが多く興奮状態ではあまり効果がないのが現実です。
対策として試したのが「前胸リード型ハーネス」の導入。引っ張ると自然と横向きになり、進行方向を制御しやすくなるもので、ある程度の効果はありましたが持続しませんでした。
ですので、根本的に何が問題なのかを考える必要があります。デカプーは賢い分、意味のない指示に反応することは多くありませんので、「なぜ止まるのか?」「どうすれば褒められるのか?」を丁寧に伝え続けることが必要不可欠だということに気づかされました。
デカプーの立場から:「止まってみた」その時「アイコンタクト」をとってみた「褒められた」+「おやつ」を貰えた。
を繰り返し行うことで、効果が出るまでには時間がかかることもありますが、“習得”ではなく“納得”させる感覚が大切だったのかもしれません。やがて徐々にではありますが意思疎通が取れるようになってきました。
それでも、何かの拍子にいきなり引っ張り出すこともあるので「またかよ」と思わずに根気良く続けることが大切です。
「体力がすごい!」デカプーの散歩量と満足度の関係
しつけの一環として、「十分な運動」は欠かせません。我が家のデカプーも例外ではなく、とにかく体力が底なし。小雨程度であればお構いなしで出かけますが、途中で雨が強くなると体をブルブルしても、すぐに濡れていまう感覚が嫌なのか?家の方に方向転換して帰路を急ぐようになります。
最初から強めの雨が降っている日は、「今日は雨だから散歩はいけないよ」と言い聞かせます(窓から雨の様子を見せる)。そうするといったんは納得の様子で落ち着きますが、暫くするとソワソワし始めるので、その時はエントランスまで連れて行き少し雨に当ててあげると納得したのか?とぼとぼと帰っていきます。
そんな日は体力を持て余して家の中をウロウロ、クッションをくわえて暴走…なんてこともあります。
肝心な平均的な1日の散歩量は、朝夕合わせて2時間〜3時間、距離にして4〜5.5kmくらい。ただ歩くだけでなく、におい嗅ぎ・アイコンタクト・すれ違いトレーニングなども組み込んでいますのでそれなりの時間がかかりまが、頭と体の両方に刺激を与えられるのでデカプーには良いかもしれません。
とくに夏場は熱中症リスクがあるため、早朝と夜に時間を分けて散歩しています。トイプードルは元々、寒さと暑さにはあまり強くはない方なのでそれなりの対策は欠かせません。
散歩不足が引き起こす「吠え」「破壊」「落ち着きのなさ」は、まさにしつけの障害要因。逆に十分な運動が確保できている日は、落ち着きもあり悪さをすることも殆どありません。

破壊行動
「散歩=しつけのベース」と捉えるようになってからは、散歩が単なる移動時間ではなく「一緒に学ぶ時間」としての意味を持つようになりました。
トイプーと違う?デカプーのしつけで意識したいトレーニングの工夫
一般的なトイプードルと比較して、我が家のデカプーは「言えば分かる」タイプではありませんでした。もちろん基本的な理解力は高く、覚えも早いのですが、指示を受け入れる“納得力”が必要。つまり、コマンドを「覚えた=聞く」ではなく、「必要だと理解している=聞く」という印象です。
そのため、トレーニングの際にはタイミングと感情の伝え方にかなり注意を払いました。うまくできたら即座に褒め、失敗しても焦らずリトライ。叱るよりも、「成功させること」に重きを置くスタイルが、デカプーにはよく合っていました。まあ、「失敗しても焦らずリトライ」は愛犬のしつけで一般的かも。
一例ですが、散歩から帰って部屋に入る前に玄関で足を拭くのですが、前足を拭いた後に「はい、後ろを向いて」と声をかけます。初めは、中々後ろを向いてはくれませんでしたので軽く手を添えて後ろ向きにしていましたが、その出来ない時でも、後ろ向きになった時に「偉いね、よくできたね」と声をかけながら顔を撫でてあげていました。そうすると、いつの間にか「はい、後ろを向いて」と声をかけるだけで後ろを向いたくれる様になりました。
また、体格が大きいことで家庭内ルールも見直しが必要に。例えば「ソファに乗っていいか」「玄関に飛び出さないか」といった習慣も、物理的な影響力が大きいため、小型犬よりも厳しくトレーニングする必要がありました。
トイプードルと同じ“ノリ”ではうまくいかない。「力がある子」としての扱い方を加えたしつけが、デカプーには必須だと実感しています。
甘えん坊だけど頑固!?デカプーの性格としつけの向き合い方
「甘えん坊で優しいけど、妙に頑固」。これが我が家のデカプーの性格です。トイプードルの賢さをしっかり受け継いでいる一方で、頑として動かない一面も持っています。
たとえば、散歩中に「ここは行きたくない」と感じたら、何を言っても動かない。一方で、お気に入りのコースでは急にテンションが上がって引っ張り始める。意思表示がハッキリしているぶん、しつけの際も「無理やり」では通用せず、相手の気持ちを汲みながら進める必要があります。
また、驚いたのが“感情の記憶力”。嫌だった場所、怖かった音、叱られた場面などはしっかり覚えていて、次回以降にその影響が出ることもしばしば。逆に、「褒められた」経験は素直に受け取り、再現しようと努力する面もあります。
向き合い方として心がけたのは、「犬目線で考えること」と「その場の気分で対応を変えないこと」。ルールは一貫性が大事ですし、感情的な対応は逆効果でした。
性格を“直す”のではなく、その性格に合ったしつけ方法を探すこと。それがデカプーとの関係を深める最大のコツだと感じています。
しつけに使えるグッズとデカプーで“失敗した道具”たち
我が家ではこれまで、さまざまなしつけグッズを試してきました。成功したものもあれば、「これは失敗だった…」と感じたものも。デカプーの体格や性格を考えると、選び方にコツがあることが分かってきました。
特に重宝しているのは、前胸ハーネスタイプのリード。引っ張り癖があるデカプーでも、体のバランスを崩さず制御がしやすくなりました。また、高反応のおやつもトレーニングの必需品。噛み応えや香りが強めのものだと、集中力がグンと上がります。
一方で、失敗だったのは「クレートトレーニング用の折りたたみソフトケージ」。サイズは十分でも、体格が大きくて天井がたわみ、不安定さから嫌がるようになりました。また、「吠え防止首輪」も試しましたが、逆にストレスを感じてしまったようで逆効果に。
しつけグッズ選びで気をつけるべきは、「サイズ感」「素材の丈夫さ」「使用時の安心感」。デカプーはサイズだけでなく、力や反応の仕方も考慮が必要です。
失敗も含めて試してきたからこそ、「うちの子に合う道具」が見えてきた――そんな経験が、同じように悩む飼い主さんの参考になればと思います。
まとめ
デカプーとの暮らしは、想像以上にエネルギッシュで奥が深いものでした。
小柄なトイプードルと同じ感覚では通用しない、パワフルで繊細な“個”として向き合うことの大切さを、日々実感しています。
しつけに正解はありませんが、「我が家ではこうだった」という経験が、どこかで誰かのヒントになるかもしれない。
この記事が、デカプーとの暮らしに奮闘中の飼い主さんにとって、少しでも安心材料やアイデアにつながればうれしいです。
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