犬にも利き手はある?右利き・左利きの割合や調べ方、性格との関係を解説

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「うちの犬はいつも右の前足でおもちゃを押さえている気がする」「お手をすると必ず左足を出すけど、これって偶然?」──そんな疑問を持ったことはありませんか。

実は、犬にも人間のような「利き手」にあたる傾向があることが、さまざまな研究で分かってきています。ただし、人間のように右利き・左利きとはっきり分かれるとは限らず、個体によって左右の使いやすさや偏りの程度はさまざまです。

さらに近年では、利き手は単なるクセではなく、脳の働き方や行動の特徴、ストレスへの反応などと関係している可能性も研究されています。そのため、愛犬の利き手を知ることは、性格や行動を理解するヒントになるかもしれません。

この記事では、犬にも利き手があると考えられている理由や、右利き・左利きの割合、自宅でできる調べ方、利き手から分かることまでを分かりやすく解説します。愛犬を観察しながら読み進めると、新しい発見があるかもしれません。

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犬にも利き手はある?研究で分かっていること

「利き手」と聞くと、人間だけの特徴と思われがちですが、実は犬にも前足の使い方に偏りがあることが、多くの研究で報告されています。もちろん、人間のように文字を書いたり道具を使ったりするわけではありませんが、おもちゃを押さえる、階段を上るときの最初の一歩、飼い主さんに「お手」をする場面などでは、いつも同じ前足を使う犬が少なくありません。

このような左右の使いやすさは偶然ではなく、脳の働き方と深く関係していると考えられています。まずは、犬の利き手とはどのようなものなのか、研究で分かっていることから見ていきましょう。

犬は前足にも左右の使いやすさがある

犬の利き手とは、「右の前足ばかり使う」「左の前足を優先して使う」といった前足の使いやすさの偏りを指します。人間のように手先で細かな作業をするわけではありませんが、前足を使う動作を詳しく観察すると、一定の傾向が見られる犬は少なくありません。

例えば、おやつ入りのおもちゃを押さえるときや、お手をするとき、最初に階段へ踏み出すときなど、無意識の行動には利き手の特徴が現れやすいとされています。毎回同じ前足を使う犬もいれば、場面によって使い分ける犬もいます。

このような左右差は「ラテラリティ(脳の左右機能分化)」と呼ばれる現象の一つと考えられています。脳は左右で得意な働きが異なるため、その影響が体の動きにも表れるという考え方です。

つまり、犬の利き手は単なる癖ではなく、脳の働き方が反映された個性の一つである可能性があります。だからこそ、愛犬がどちらの前足をよく使うのか観察してみると、その子らしい特徴を知るきっかけになるでしょう。

利き手があるのは犬だけではない

利き手のような左右の偏りは、実は犬だけに見られるものではありません。動物の研究では、猫や馬、オウム、イルカ、チンパンジーなど、多くの動物で体の左右を使い分ける傾向が確認されています。

例えば、猫ではおもちゃに触れる前足に偏りが見られたり、オウムではエサをつかむ足が決まっていたりすることがあります。霊長類であるチンパンジーでも、人間と同じように特定の手を優先して使う個体がいることが知られています。

このような現象は、脳が左右で異なる役割を持つことで、効率よく情報を処理できるよう進化してきた結果ではないかと考えられています。つまり、利き手は人間だけの特別な能力ではなく、多くの動物に共通する自然な特徴の一つなのです。

犬にも利き手があることは決して珍しいことではありません。愛犬の前足の使い方を観察することは、動物が持つ興味深い能力を身近に感じられる、楽しい観察の一つといえるでしょう。

犬は右利き?左利き?割合はどちらが多い?

犬にも利き手があることは分かってきましたが、多くの飼い主さんが気になるのは「右利きと左利きでは、どちらが多いの?」という点ではないでしょうか。

実は、この疑問に対して「すべての犬は右利き」「左利きが多い」といった単純な答えはありません。これまでに行われた複数の研究では、右利きの犬もいれば左利きの犬もおり、さらに左右どちらにも大きな偏りがない犬も一定数いることが分かっています。研究方法や対象となった犬種、調査頭数によって割合に違いが見られるため、一つの数字だけで判断することはできません。

また近年では、利き手の違いだけでなく、オスとメスで利き手の傾向に差が見られる可能性も報告されています。ただし、これらはあくまでも統計的な傾向であり、すべての犬に当てはまるものではありません。ここでは、研究で分かっている犬の利き手の割合や、性別による違いについて分かりやすく見ていきましょう。

【犬は右利き?左利き?研究で分かった割合】
犬の利き手について調べた研究では、犬は大きく「右利き」「左利き」「両利き(左右に大きな偏りがない)」の3つのタイプに分けられることが分かっています。

人間では右利きが圧倒的に多いことで知られていますが、犬の場合はそこまで大きな偏りは見られません。研究によって割合は異なるものの、右利きと左利きがほぼ同程度だったり、両利きの犬が一定数含まれていたりする結果も報告されています。そのため、「犬は右利きが多い」と断言することはできません。

また、利き手は「絶対に右しか使わない」「左しか使わない」というものではなく、状況によって使い分ける犬もいます。例えば、おもちゃを押さえるときは右前足でも、階段では左前足から踏み出すというケースも珍しくありません。

つまり、犬の利き手は白黒はっきり分かれるものではなく、左右の使いやすさに個体差があると考えるのが自然です。その違いもまた、愛犬の個性の一つといえるでしょう。

【オス・メスで違いが見られる研究もある】
犬の利き手については、性別とのも行われています。その中には、オスは左前足を優先して使う傾向があり、メスは右前足を優先する傾向が見られたという報告があります。

この理由はまだはっきり解明されていませんが、ホルモンの影響や脳の発達の違いが関係している可能性があると考えられています。ただし、研究によっては明確な差が確認されなかったものもあり、現在も詳しい仕組みが研究されている段階です。

そのため、「オスだから左利き」「メスだから右利き」と決めつけることはできません。同じ性別でも右利きの犬もいれば左利きの犬もおり、両利きに近い犬もいます。あくまでも集団として見たときの傾向であり、個体差のほうが大きい場合も少なくありません。

愛犬の利き手を知りたい場合は、性別による一般的な傾向よりも、実際の行動をじっくり観察することが大切です。研究結果を参考にしながら、その子ならではの特徴を見つけることが、より深い理解につながるでしょう。

実際に海外では、おもちゃを押さえる前足や階段を上る際の最初の一歩などを用いて犬の利き手を調べる研究が数多く行われています。研究結果は犬種や調査方法によって異なりますが、右利き・左利き・左右差の少ない犬がいずれも存在することが報告されています。

自宅でできる犬の利き手チェック方法

犬の利き手は、特別な道具や専門的な知識がなくても、自宅で気軽に調べることができます。大切なのは、一度だけの行動で判断するのではなく、犬が自然に行動している様子を繰り返し観察することです。

遊びや食事の時間、散歩の前後など、普段の生活の中には利き手を確認できる場面が数多くあります。ここでは、家庭でも実践しやすい代表的なチェック方法と、より正確に判断するためのポイントをご紹介します。

犬の利き手の調べ方|おもちゃ・おやつ・一歩目でチェック

犬の利き手を調べる方法はいくつかありますが、最も簡単なのは、前足を自然に使う場面を観察することです。

例えば、おやつを入れた知育玩具やコングなどを与えた際、犬は前足で押さえながら中身を取り出そうとします。このとき、どちらの前足を多く使っているかを記録してみましょう。また、「お手」の合図で最初に差し出す前足や、おもちゃを押さえる前足にも利き手の傾向が表れやすいとされています。

さらに、散歩へ出発するときや階段を上るときに、最初に踏み出す前足を観察する方法もあります。犬は無意識に行動するため、意識して左右を使い分けているわけではありません。そのため、普段の何気ない動作ほど、本来の利き手が現れやすいと考えられています。

観察するときは犬がリラックスしている状態を選び、無理に前足を使わせようとしないことも大切です。自然な行動を記録することで、より正確に愛犬の特徴を知ることができるでしょう。

1回では分からないので20〜50回ほど観察しよう

犬の利き手は、一度だけの行動では判断できません。その日の気分や体勢、周囲の環境によって、たまたま反対側の前足を使うこともあるためです。そのため、研究でも複数回の観察を行い、左右どちらを多く使うかを総合的に判断しています。

家庭で調べる場合も、同じ動作を20〜50回ほど観察すると、利き手の傾向が見えやすくなります。例えば、おやつ入りのおもちゃを与えたときに、右前足を使った回数と左前足を使った回数を簡単にメモしておくだけでも十分です。

もし右前足を使う割合が明らかに多ければ右利き傾向、左前足が多ければ左利き傾向と考えられます。一方で、左右ほぼ同じ回数であれば、両利きに近いタイプである可能性もあります。

結果にこだわり過ぎる必要はありません。大切なのは、「愛犬はどんな場面でどちらの前足を使いやすいのか」を楽しみながら観察することです。その時間そのものが、愛犬への理解を深める貴重なコミュニケーションになるでしょう。 

愛犬の利き手チェックシート
犬の利き手は1〜2回では判断できません。
同じ動作を20〜50回ほど観察し、右・左どちらの前足を使ったか記録してみましょう。

観察した動作 右(回数) 左(回数)
① おやつ入りのおもちゃ・知育玩具を押さえる (   )回 (   )回
② 「お手」で最初に出す前足 (   )回 (   )回
③ 歩き始める最初の一歩 (   )回 (   )回
④ 階段を上る最初の一歩 (   )回 (   )回
⑤ ベッドやソファーの下の物を取ろうとする前足 (   )回 (   )回
⑥ ドアを開けようとするときの前足 (   )回 (   )回
⑦ タオルで包んだおやつ・おもちゃを取ろうとする前足 (   )回 (   )回
⑧ 普段よく使っている前足 (   )回 (   )回

判定の目安
●右の回数が明らかに多い → 右利き傾向
●左の回数が明らかに多い → 左利き傾向
●左右の回数がほぼ同じ → 両利き(左右差が少ない)
ワンポイント
犬はその日の気分や体勢によって使う前足が変わることがあります。同じ条件で20〜50回ほど観察すると、より正確な傾向が分かります。結果を楽しみながら、愛犬ならではの個性を見つけてみましょう。

▼利き手チェックシートPDFダウンロードはこちらから
愛犬の利き手チェックシート

チェックしてみた結果はいかがでしたか?
愛犬が右利きだった、左利きだった、意外にも両利きだったなど、新しい発見があった方も多いでしょう。利き手は犬の個性の一つです。ぜひ普段の生活でも前足の使い方を観察してみてください。

犬の利き手で性格や得意分野は分かる?

犬の利き手が分かると、「性格や能力まで分かるの?」と気になる方も多いでしょう。近年の研究では、利き手は単なるクセではなく、脳の働き方や行動の特徴と関係している可能性があるとして注目されています。

ただし、利き手だけで犬の性格や才能を判断できるわけではありません。犬の行動は遺伝や育った環境、経験、健康状態など、さまざまな要因が影響しています。ここでは、現在の研究で分かっていることと、まだ研究段階であることを区別しながら、利き手と性格・能力の関係について見ていきましょう。

【利き手とストレス耐性との関連が研究されている】
近年の研究では、犬の利き手とストレスへの反応に関連がある可能性が報告されています。例えば、右または左の前足をはっきり優先して使う犬と、左右どちらにも大きな偏りがない犬とでは、新しい環境や突然の音などに対する反応が異なる場合があることが示されています。

また、一部の研究では、左右どちらかに利き手が明確な犬のほうが、状況によっては落ち着いて行動できる傾向が見られたという報告もあります。一方で、左右差が少ない犬は環境の変化に敏感な傾向が示唆された研究もありますが、結果はすべての研究で一致しているわけではありません。

そのため、現時点では「右利きだからストレスに強い」「左利きだから神経質」といった判断はできません。利き手とストレス耐性には一定の関連がある可能性が研究されている段階と理解することが大切です。

愛犬の利き手は、その子の個性を知るヒントの一つとして活用し、日頃の様子や生活環境とあわせて見守ることが重要といえるでしょう。

【使役犬の適性が利き手だけで決まるわけではない】
「右利きの犬は賢い」「左利きの犬は作業犬に向いている」といった話を耳にすることがありますが、現在の研究では、利き手だけで使役犬としての適性が決まるという明確な根拠はありません。

警察犬や盲導犬、災害救助犬などの使役犬には、高い集中力や学習能力、人との協調性、冷静な判断力など、さまざまな資質が求められます。そのため、訓練機関では利き手だけではなく、性格や気質、健康状態、訓練への適応力など、多角的な視点から適性が評価されています。

もちろん、利き手が犬の脳の働き方を知る一つの手掛かりになる可能性はあります。しかし、それだけで能力や将来の活躍を予測することはできません。

家庭犬にとっても同じことがいえます。利き手は「優れている・劣っている」を判断するものではなく、その子らしい行動の特徴を知るための一つの個性です。愛犬の利き手を観察しながら、その子だけの得意なことや性格に目を向けることが、より良いコミュニケーションにつながるでしょう。

犬の利き手を知ると愛犬への理解がもっと深まる

犬の利き手は、右利き・左利きという結果そのものが重要なのではなく、愛犬の個性を知るための一つの手掛かりとして考えることが大切です。普段何気なく見過ごしている前足の使い方にも、その子ならではの特徴が表れていることがあります。

また、利き手の研究は現在も続けられており、脳の働き方や認知能力、ストレスへの反応との関連性について新しい発見が報告されています。ただし、現時点では利き手だけで性格や能力、適性を判断できるわけではありません。犬の行動には、生まれ持った気質だけでなく、生活環境や経験、飼い主さんとの関わり方など、さまざまな要素が影響しています。

だからこそ、利き手は「優れている・劣っている」を判断するものではなく、愛犬をより深く理解するための観察ポイントの一つとして楽しむことがおすすめです。

ぜひ今回ご紹介したチェック方法を参考に、遊びや散歩、おやつの時間など、普段の生活の中で前足の使い方を観察してみてください。「いつも右の前足から歩き始める」「おもちゃは左前足で押さえることが多い」など、小さな発見が愛犬への理解をさらに深め、より良いコミュニケーションにつながるでしょう。

よくある質問(FAQ)

犬にも本当に利き手はあるのですか?
はい。犬には前足の使い方に左右の偏りが見られることがあり、国内外の研究でも右利き・左利き・左右差の少ない犬が存在することが報告されています。ただし、人間ほど明確に分かれるとは限らず、個体差があります。
犬の利き手は途中で変わることがありますか?
年齢や体調、ケガなどの影響で一時的に反対の前足を多く使うことはあります。しかし、健康な犬では基本的な利き手の傾向が大きく変わることは少ないと考えられています。
犬種によって右利き・左利きの違いはありますか?
犬種による違いを調べた研究もありますが、現時点では「この犬種は右利きが多い」と断言できるほど明確な結果は得られていません。犬種よりも個体差のほうが大きいと考えられています。
利き手で犬の性格や賢さは分かりますか?
利き手と脳の働きやストレスへの反応との関連性は研究されていますが、利き手だけで性格や知能、能力を判断することはできません。利き手は愛犬の個性を知るヒントの一つとして考えるのがおすすめです。

まとめ

犬にも人間と同じように利き手の傾向があり、右利き・左利き・両利きの犬がいることが研究によって分かっています。利き手は脳の働きと関係している可能性がありますが、それだけで性格や能力を判断することはできません。

大切なのは、愛犬の前足の使い方を楽しみながら観察し、その子らしい個性を知ることです。今回ご紹介したチェック方法を試しながら、ぜひ愛犬の利き手を調べてみてください。

犬の知能や学習能力についてさらに詳しく知りたい方は、親記事「犬の知能はどれくらい?理解力・学習能力・不思議な行動を徹底解説」もあわせてご覧ください。

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