
抗てんかん薬の服用を始めれば、発作は落ち着いていく――私はどこかでそう期待していました。しかし現実は違いました。投薬を開始したあとも、66日間で4回の発作。回数だけを見れば突出して多いわけではないのかもしれません。それでも、3月に2回、5月に2回と重なった事実は、私の心を静かに揺さぶりました。しかも発作の様子は毎回同じではなく、回復までにかかる時間も長くなっているように感じる。薬は効いているのか、それとも足りないのか。続けるべきか、見直すべきか。迷いながらも記録を続けた、この66日間の経過を残します。
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獣医師のアドバイスのもと、抗てんかん薬を1日2回の服用を続け、服用を始めてから2週間以上たってから薬の利き目を調べるための血中濃度を測定し確認をして服用を続けてきた。
そんな中、愛犬コタローにまたしても連続2回、てんかん発作が起きてしまいとっても心配でした。
投薬を始めたのに、発作は止まらなかった
初回の発作を受け、私たちは獣医師と相談のうえ抗てんかん薬の服用を開始しました。発作の再発を防ぐことを最優先にする。その判断に迷いはありませんでした。あの突然の痙攣と意識消失をもう二度と見たくない、その一心でした。
薬を飲み始めたことで、どこか安心していたのも事実です。「これで落ち着いてくれるかもしれない」。完全に止まるとは限らないと説明を受けていたにもかかわらず、私は心の奥で“発作はもう起きないかもしれない”と期待していました。
しかし現実は違いました。
投薬開始後、66日間で4回の発作。3月に2回、そして5月に2回。数字だけ見れば突出して多い回数とは言えないのかもしれません。それでも、薬を始めた後に繰り返し起きたという事実は重くのしかかりました。
しかも、発作の様子は毎回同じではありませんでした。強い痙攣が目立つこともあれば、体が硬直する時間が短い代わりに、その後のぼうっとした状態が長く続くこともある。発作の“形”が変わっているように感じられました。
私は考え始めます。
薬は効いていないのか。
それとも、効いているからこそ痙攣は軽くなっているのか。
どちらとも言い切れない状況が、いちばん苦しかったのです。
発作が起きるたびに、「薬を飲んでいるのに」という思いが頭をよぎりました。けれど同時に、もし飲んでいなかったらもっと重い発作だったのかもしれない、とも思う。評価の基準が分からないまま、不安だけが積み重なっていきました。
投薬は“解決”ではなく、“経過観察の始まり”だったのかもしれない。そう感じ始めたのが、この66日間でした。
過去2回との違いが、不安を強くした
2021年5月7日、午前6時。ベッドの上で、寝返りを打つときと同じような動きが始まりました。その瞬間に「てんかん発作だ」とすぐに分かりました。前回のように痙攣が始まるのかと思いましたが、今回は様子が違いました。発作が起きたのとほぼ同時に自分でベッドから降り、少しの間その場でふらつきながらも歩き出し、玄関の方まで行ってぼうっと立ち尽くしました。前回は意識を失い、そのままベッドから落ちています。その違いは明らかでした。
さらに5月14日。朝5時半に一度起き、吸着剤を飲ませて再びベッドへ戻りました。6時少し前、コタローが両足を前に伸ばしお尻を持ち上げる“伸び”の姿勢を取った瞬間、そのまま発作へ移行しました。私は先にベッドから出ていたため、落ちる体を受け止めることができました。
過去2回(3月8日・27日)は、「発作→痙攣→通常状態」まで2〜3分ほどでした。しかし5月7日は、痙攣は目立たなかったものの、通常状態へ戻るまで約40分。ぼうっとした状態が長く続き、少し歩いては止まり、また歩いては止まる。5月14日も20〜30分ほど意識がはっきりしませんでした。
痙攣は軽くなっているように見える。それでも“戻るまでの時間”は確実に長くなっていました。この変化が、私の不安を強くしました。

ふらつきが戻るまで時間がかかっていた
薬は効いているのか。それとも合っていないのか
3月に2回、そして5月にも2回。いずれも朝6時前後です。回復までの時間は長くなっているものの、激しい痙攣や失禁は抑えられている印象もありました。
「効いているのか、いないのか。」
私は獣医師に相談しました。提示された選択肢は3つでした。
その1|服用時間をずらす
発作が朝6時に集中していることから、朝の服用はそのままに、夜の服用時間を遅らせて血中濃度の谷をなくす方法。
その2|抗てんかん薬の増量
現在の量を1.5倍程度へ調整し、抑制効果を強める。
その3|脳神経系統の検査
頭が下がったまま固まる、一点を見つめ反応しない、睡眠中の小刻みな痙攣、歩行時のふらつき、狭く暗い場所へ行きたがるなどの症状から、脳神経細胞の過剰な電気活動や二次性疾患の可能性も否定できないため、原因特定のため検査を行う。
薬はまったく効いていないわけではない。しかし十分とも言い切れない。
私たちは、この3つの中から一つを選ぶことになります。
その選択が、後に副作用や投薬時間の問題へとつながっていきました。
次の記事では、その決断とその後に起きた変化について記録します。
まとめ
66日間で4回。数字だけを見れば判断は難しいかもしれません。しかし、発作の質の変化や回復までの時間の延長という“中身”を見たとき、私は現状維持ではいられないと感じました。痙攣や失禁は抑えられているように見える一方で、朝6時前後に集中する発作。そこから見えてきたのは、投薬時間の調整や増量という選択肢でした。薬をやめるのではなく、どう続けるかを考える段階に入ったのだと思います。次回は、私たちが最終的に選んだ方法と、その後に現れた副作用や変化について記録します。


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