1. 楽しい散歩に出かける前には!
愛犬の散歩は1日1回から2回が望ましいとされていますが、そこには犬種、個体差やその時の体調などを加味することが必要となりますので、あくまでも目安としてお考えいただければ良いかと思います。併せて下記の項目も参考になれば幸いです。
【 散歩の前提として 】
それでは、あなたは朝一番に楽しい散歩に出かけますか?それとも愛犬のご飯が先ですか?どちらかと言えば、散歩を先にしてあげた方がいいみたいですよ。何故なら、食後の激しい運動は胃への負担が大きくなり、嘔吐や胃拡張の原因にもなるのであまり良くありません。また、愛犬も人間同様で散歩後の食事の方が美味しく頂けることや排尿や排便を先に済ませることができるからです。
特に梅雨明けまじかから夏場にかけては、なおさらで日の出前の朝一がベストです。陽が昇ってからですと地面が熱せられて愛犬には酷になってしまいます。夏場のアスファルトの温度は50°~60°にもなり肉球の火傷のみならず熱中症の心配も出てきます。
また、朝の空気は愛犬とっても飼い主さんにとっても気持ちの良いものです。
それでは項目チェックをしていきます。
【 装 着 具 】
愛犬を楽しい散歩に連れ出すのに必要不可欠なものの一つが首輪と胴輪(ハーネス)がありますがどちらを使用していますか?最初はどちらにするか迷うこともあると思いますが、どちらもそれぞれにメリット、デメリットがありますので愛犬の犬種や大きさ、性格などを考え使い分けるとよいと思います。
【首輪のメリット】
散歩中に飼い主さんがコントロールしやすく、躾をするのには向いている。特にグイグイと強く引っ張る愛犬には適しているようです。
【首輪のデメリット】
躾をしやすい反面、愛犬が強く引っ張ることで首や気管に負担がかかり愛犬(特に大型犬)の健康を損ねることもあるので注意が必要になります。さらに、胴輪(ハーネス)よりも首がぬけやすいため楽しい散歩に出かける前には事故防止のためにも、適切なサイズに調整することを習慣づけるようにしましょう。
【胴輪(ハーネス)のメリット】
首と胴体を固定できるので、愛犬がグイグイと引っ張った時に飼い主さんがリードを強く引き寄せても愛犬の首に加わる力が分散され、気管への負担を軽減できます。
【胴輪(ハーネス)のデメリット】
引っ張り癖がある愛犬には不向きのようです。何故なら飼い主さんが強く引いてもあまり苦しくないことから飼い主さんの意思が伝わりにくい。また、首への負担が軽減される反面、胸部を圧迫してしまう事もあるので注意が必要となります。
【 持 ち 物 】
【リード】
楽しい散歩でのリードは必要不可欠です。各都道府県の条例によってノーリードでの散歩は対人及び交通事故、愛犬同士の事故を防ぐために禁止されています。
対人の場合、愛犬が相手に対して怪我を負わせた場合には民事、刑事責任を負う可能性もありますし交通事故でも飼い主さん側が責任の大半を負うことが十二分にあり得ます。ですので、お互いのトラブルを未然に防ぐためにもリードを着用して愛犬も飼い主さんも楽しい散歩にしたいものですね。
【狂犬病予防注射済表と鑑札】
生後91日以上の犬に対して行われる愛犬の登録と毎年行われる狂犬病予防注射を受け、犬の鑑札と予防注射済票を首輪、胴輪(ハーネス)などにつけておく事も忘れずに。
これを付けておくことで仮に愛犬が迷子になっても名札がわりになり、飼い主さんが分かるので安心です。また、鑑札が付いていない場合には愛犬は捕獲の対象となってしまいますし、20万円以下の罰金が科せられる場合もありますので忘れないようにしたいですね。
【トイレグッズ&水】
愛犬の散歩につきものなのがウンチとオシッコです。これを処理するためのペーパー、お尻ふきシートと水は欠かせません。散歩をしているとウンチがそのままの状態で放置されているのをよく見かけますが、このような事は絶対にあってはならないことです。犬を飼う以上はマナーを守り楽しい散歩にしたいものですね。オシッコは必ず水で流すようにしましょう。散歩で動き回ると愛犬も水分を欲しがるので特に夏場は十分に与えるようにしましょう。
さらに、処理したウンチを入れるための袋、スコップ、おやつ、音が出る遊具などをバッグに入れて出かけましょう。
2. 楽しい散歩中には!
[ 拾い食いの危険性 ]
[ 他の犬のオシッコを舐める危険性 ]
(対処法)……………………… 仔犬の頃からの躾が大切です。オシッコやウンチをしたら、匂いを嗅ぎ舐めたり食べたりする前に片づけましょう。万が一舐めようとしたり食べようとしたら、その前に『ダメ』と低い声で言って止めさせる。
(対処法)……………………… 運動量や散歩時間、食事の質や量などを見直してみましょう。仮にトイレを失敗しても叱ってはいけません。叱ってしまうとストレスになってしまいます。大切なのは、何といってもスキンシップですね。どんな些細な事でもいいのでとにかく褒めてあげることです。
(対処法)……………………… 愛犬の栄養不足が考えれるので、バランスよく栄養補給が出来るドックフードに変えるなど食事面を見直す必要があります。動物病院に相談してみるのも良いかもしれませんね。
(対処法)…………………………… 一番は無視する事!何といっても大きな声と大きな動きに興味を示すので『グッ』とこらえて耐えましょう。これを繰り返すことで、オシッコを舐めても『喜んでる』と思わなくなり『な~んだつまらないの』と思うようになり徐々に少なくなるように思われます。
[ 草むらの危険性 ]
特に、仔犬の頃の散歩は好奇心旺盛なので色々な匂いを嗅ぐのが楽しみで草むらなどにも入り込んでしまう事もしばしばあります。そこで気を付けたいのが『ノミ』、『マダニ』などの寄生虫や害虫の類です。また、川沿いや水たまりには『蚊』なども生息していますので予防薬やワクチン摂取は欠かせません。
それでは、それぞれの害虫について見ていきます。
『ノミ、マダニの生息場所』…… 草むら以外でも、愛犬の身体にノミやマダニがいれば愛犬同士が接触することで、もう一方の愛犬にも飛び移ってしまうことがあります。また、家の中にも、じゅうたん、ソファー、ベッド、布団、畳の隙間などにも生息しています。一般的には平均気温が15℃~20℃で発生しやすくなってきます。
ノミに噛まれた時の症状…………… ノミは非常に小さく体長が1.2~2㎜程で愛犬の身体についてしまうと見つけ出すのは少し難しい。噛まれる痒みが出る。さらに、ノミの唾液によりアレルギー性皮膚炎を起し、とても強い痒みを伴い、舐め続けたり噛んだりすることでその部分の毛がなくなってしまうこともある。
ノミのチェクポイントと対処法…… 愛犬の身体、被毛を注意深く観察することで見つけ出すことができるので、できる限りチェックをしてあげましょう。毎日は大変ですが、せめてノミの多い草むらなどを散歩した日にはこまめに見てあげるだけでも違います。
その際に有効的なのがブラッシングで、目の細かいものが効果があります。仮に見つけた場合は粘着テープに移しとり処理しましょう。あわてて手でつぶすのは危険です。ノミが卵を持っていると、つぶすことで回りに飛び散り増殖してしまいますので絶対にやめましょう。最終的には動物病院でしっかりチェックしてもらいましょう。
ノミによる感染症
瓜実条虫【ウリザネジョウチュウ】(サナダムシの仲間)ノミによって媒介される消化器官内寄生虫の一種。
マダニに噛まれた時の症状…………… 成虫で1~5㎜で吸血の際に唾液が注入され、それによりアレルギー反応が起きる。症状は貧血や皮膚炎などで強い痒みを伴い腫れることもある。
マダニのチェクポイントと対処法…… 頭、耳、目の周りや背中、足などを特に念入りに指で触れてみる。仮に見つけた場合でも無理に引っ張って取ろうとしないこと。マダニは頭部を皮膚に食い込ませるため無理して引っ張ることで頭部だけが体内に残ってしまう可能性がある。また、ウイルス感染を防ぐためにも決して潰してはいけません。発見した場合にはなるべく早く動物病院での処置が一番です。
マダニの感染症
犬バベシア症 赤血球に寄生し赤血球が破壊されて貧血や発熱、食欲不振を引き起こす。急性の場合、黄疸や衰弱により命を落とすこともある。
SFTS(重症熱性血小板減少症候群)ウィルスを保有しているマダニ(フタトゲチマダニ等)に噛まれると犬猫、人にも感染し元気がなくなり嘔吐、下痢、食欲不振を引き起こし熱が出る。また、マダニに噛まれた動物の体液などでも感染します。
日本紅斑熱(にほんこうはんねつ)マダニが保有しているリケッチア・ジャポニカという病原体によって起こるリケッチア感染症。犬猫にはハッキリとした症状は出ないものの人間が感染すると倦怠感、頭痛、発熱や全身に痒みのない発疹などの症状が出る。
ノミ、マダニの薬による予防 … これには3種類があり、ひとつがスプレータイプの駆除薬、首の後ろに垂らすスポットタイプ(滴下剤)と直接愛犬に服用させる錠剤があります。でわ、それぞれのメリット、デメリットについて見ていきます。
スプレータイプのメリット……… 動物用医薬品は手軽に全身に噴射することで即効性と持続性があるので安心している使用できる。フロントラインスプレーは年齢に関係なく使用できるので重宝する。
スプレータイプのデメリット…… ホームセンターなどで販売されている市販薬は忌避剤としての効果はあるものの効果としては薄く、持続時間が短い。(スポットタイプ、錠剤も同様)また、口や目などに入らないように気を付ける必要がある。
スポットタイプ(滴下剤)のメリット……… 身体に直接垂らすのでアレルギーや飲み薬が苦手な愛犬に最適。
スポットタイプ(滴下剤)のデメリット…… 愛犬が舐めたりしないように首から後ろに垂らすため、顔や耳、足先までは効果が届きずらいことがある。また、滴下した部分の毛が固まり愛犬が気にすることがある。薬が浸透するまでの期間(4~5日)シャンプーが出来ない。
錠剤のメリット…………………… おやつ感覚(クッキー、ジャーキー風味)で食べやすくなっているので薬嫌いの愛犬でもわりと楽に服用してもらうことができる。さらに、薬の効果が身体全体に行きわたる。
錠剤のデメリット………………… アレルギーがある場合は獣医師さんとの相談が必要です。一度、愛犬に警戒されると服用させるのが難しくなる。虫よけの効果はありません。ノミ、マダニが身体に潜んでいた場合、ノミ、マダニが吸血してからの効果となります。
上記駆除薬以外にシャンプーがありますが、シャンプーの場合は一時的な効果しか望めません。動かなくなっていると死んだと勘違いをしてしまいそうですが仮死状態でしかありませんので、確実に取り除くことが必要です。
『蚊に刺された時の症状』……………… 体内にミクロフィラリアを持つ蚊に愛犬が刺されることで、フィラリアの幼虫が体内に入ると心臓や肺動脈に寄生し心臓の機能障害(血液の流れが悪くなる)で『犬フィラリア症』を引き起こす危険性があります。初期の症状は、元気がなくなり食欲が落ちてくる。さらに、痩せる、咳が出る、呼吸が苦しそうになるなどですが、はじめはどれもあまり目立たない為、ついつい見過ごしてしまう危険性があります。
薬による予防………………………………これには3種類があり飲み薬、スポットタイプ(滴下剤)、注射になりますが、そのどれもが感染しない為のものではなくフィラリアに感染した場合でも幼虫を殺してくれる駆虫薬としての効果を発揮します。飲み薬、スポットタイプ(滴下剤)共月1回の服用。注射は半年または年に1回。それぞれ定期的に行うのが効果的です。
それでは、それぞれのメリット、デメリットについて見ていきます。
飲み薬のメリット………………… 飲み薬には錠剤とチュアブル錠(薬剤が練り込まれたおやつタイプ)の2種類。
錠剤は安価でお求めやすい。アレルギーや皮膚がデリケートな愛犬にも安心。
チュアブル錠はほとんどの愛犬に使用可能です。
飲み薬のデメリット……………… 錠剤は味覚に敏感な愛犬は薬を吐き出してしまう事もあるので飲ませた後、吐き出していないか観察する必要があるのでチョット面倒。
チュアブル錠は愛犬に食物アレルギーがある場合には獣医師さんとの相談が必要。
スポットタイプ(滴下剤)のメリット……………飲み薬が苦手な愛犬やアレルギーがある愛犬でも問題なく使用することができます。
スポットタイプ(滴下剤)のデメリット………… 愛犬が舐めたりしないように被毛をかき分け垂らす必要があるので、触られるのを嫌がる場合には難しいこともある。また、皮膚に違和感を覚え背中を擦り付けたりして嫌がることもある。
注射のメリット……………… 飲み薬や滴下剤が月1回に対して、注射は半年又は1年に1回なのでうっかり忘れてしまうことがない。
注射のデメリット…………… 薬の量は体重により決まるので成長過程の愛犬には難しい。体重が安定する成犬からの使用が望ましい。
楽しい散歩にするためにも散歩後のチェックと予防薬は欠かせません。
3. 楽しい散歩からの帰宅時はに!
楽しい散歩から帰った後に愛犬の為にすべきこと、すべきではないこととは!
【 身体全体のシャンプー 】
愛犬が散歩で寝っ転がったり地面に体を擦り付けたりすることもあり、つい神経質になり帰宅後にシャンプーをしなくてはと思ってしまう事もあります。飼い主さんの気持ちはよく分かりますが愛犬の身体のことを考えるとシャンプーは控えましょう。何故なら、犬の皮膚は薄くてデリケートなので皮膚を傷めたり乾燥しやすくなるためです。(シャンプーは月1~2回がベスト)それではどうすべきか?
【 足を拭く 】
身体以上に汚れが気になるのが足ですが、これについては『必ず拭く』と『無理には拭かない』のふたつの考え方があるようです。
『必ず拭く』の場合は、地面には色々なものが落ちておりそれらが肉球の間に挟まっていたリ、肉球自体が傷ついていないかをチェックできて、尚且つ、家の中が清潔に保てるから拭いた方が良いというのが主な理由のようです。
『無理には拭かない』の場合は、もともと犬には足を拭いてから家の中に入るという習慣は当然ないので嫌がることが多い。それに対して無理に拭こうとすると飼い主との信頼関係が崩れていまう危険性があるというのが主な理由のようです。
『必ず拭く』、『無理には拭かない(嫌がっていない場合)』の拭き方は、湿らせたタオルやウェットシート(ノンアルコール)で足裏を優しく包み込み肉球に軽く押し当てて拭き取る。乾いたタオルで強く拭くと肉球が傷ついたり乾燥し滑りやすくなるので良くない。雨で濡れてしまった場合にはぬるめのお湯で洗いタオルやドライヤーを使って乾かす。
注意点としては、足を無理に引っ張らない、力任せにゴシゴシ拭かない、水分を残さない。
【 お尻を拭く 】
楽しい散歩につきもななのが排せつです。特にウンチをした後、愛犬のお尻を拭いた方が良いのでしょうか?散歩で他のワンちゃんを見ていると、ほとんどの飼い主さんがお尻を拭いているのを見かけます。
当たり前ですが、人間も排便の後にはお尻を綺麗にしますので愛犬のお尻をも綺麗にというのは、当たり前なのかもしれませんが、根本的に人間とワンちゃんでは体の構造が違います。人間が二足歩行に対してワンちゃんは四足歩行で肛門周りの筋肉の発達状態が違っています。
二足歩行の人間は臀部の筋肉が発達しているため、常に肛門はしまった状態になっているので排泄時には肛門が汚れてしまうので、拭いて綺麗にする必要があるのに対し、四足歩行のワンちゃんは人間ほど臀部周りの筋肉が発達していないので肛門は締まり切っていない。その為ウンチが出やすくなっているのです。さらに、ウンチの際には直腸の一部が飛び出してくるので肛門周りにウンチがつくことがないので汚れずにすむ。ですので、ワンちゃんのお尻は綺麗を保つことができているのです。
じゃあ、お尻は拭かなくてもいいの?
愛犬の健康状態や被毛の伸び具合によります。
健康なときにウンチをした後、お尻を見てみるとお尻には汚れはなくとても綺麗な状態ですが、ウンチの切れが良くなくて何度も力むときや下痢気味でウンチが緩いときなどに肛門の周りに汚れがつくこともあります。その場合、その場で拭いてあげるのも良いのですが、肛門周りはデリケートなところでもあり嫌がるワンちゃんもいますので、焦って皮膚を傷つけてもいけません。周囲の状況も考え無理をせず帰宅後にウェットシート(ノンアルコール)で優しく拭いてあげましょう。
アルコールのシートだと刺激が強すぎて肌にはよくありません。拭く際にはゴシゴシ力を入れないよう気をつけてあげましょう。力を入れすぎると炎症を起こし、それがストレスになる事もあるので注意が必要です。
また、お尻周りの毛が伸びている場合には毛に付いてしまう事もありますのでカットしてあげましょう。もし、毛に付いてしまったときはウェットシートをぬるま湯につけ硬く絞ってから優しく丁寧に拭き取ってあげましょう。毛に付いたまま気が付かず日数が経過すると、こびり付いてしまい取れなくなりますので、その場合は無理に取ろうとせず毛をカットするのが最善の方法です。無理に取ろうとすると肌を傷つけ炎症を起こしたりストレスになってしまう事もあります。
まとめ
愛犬との楽しい散歩をする為に事前の準備や散歩中に気を付けたいこと帰宅後の処理についてまとめましたので、少しでも参考になれば幸いです。ここで紹介したのは一部の項目にしかすぎませんので、これからも引き続き紹介していきたいと考えていますので、少しでも楽しい散歩に役立てばと思います。
コメント