デカプーとの生活で欠かせない日課といえば「散歩」。我が家でも朝と夕方、できるだけ毎日欠かさず歩くようにしていますが、ふと「この散歩量は足りているのだろうか?」と考えることがあります。特に気になるのは、リードをぐいぐいと引っ張る癖。単なる性格なのか、それとも運動不足やエネルギーの発散が足りないせいなのか…。実際、散歩の内容や時間によって引っ張り方に差が出ることもあり、「散歩量」と「引っ張り癖」には深い関係があるのでは?と観察するようになりました。今回は、我が家のデカプー(11〜12kg・2歳8か月)の最近の散歩ルーティンを振り返りながら、引っ張り癖との関係について見ていきます。
デカプー、最近の散歩ルーティンと気になる引っ張り癖
我が家のデカプーは、現在2歳8か月。成犬になってからも、その体力はさらにパワーアップし、毎日の散歩は彼にとって最大の楽しみになっています。基本的なルーティンは、朝に60~75分程度、夕方に60〜90分程度。天候やその日に出会う犬友より多少前後するものの、合計で2時間以上は外に出ている感じです。夏場は暑さを避けて時間を短縮することもありますが、それもデカプー次第で、あまりにも長くなってこれ以上は体力的に厳しいと判断したときは、半ば強制的に終了します。そうしないと散歩が終わりません。
そんな中で気になるのが「リードの引っ張り」。特に散歩の前半、家を出てしばらくは興奮気味で、道端のにおいや通り過ぎる人・犬に強い関心を示し、ぐいぐいと前へ進もうとします。ところが後半に差しかかると落ち着きを取り戻し、横について歩ける時間が増えてくる。つまり、体力が有り余っている状態では引っ張りが強く出やすいのだと感じます。
また、我が家のデカプーはペットショップから購入したのですが、我が家とペットショップとの距離が400m位しか離れておらず、散歩が解禁になった頃から、そのペットショップを散歩コースに自ら取り入れ必ず立ち寄るようになったのです。言ってみれば毎日里帰りをしているようなものです。それが2年以上も続いていて、店内に入ると中を散策し店員さんや他のお客さんとフレンドリーに遊ぶようになり、それが、いつしか楽しみの一つになってしまったようです。
ですので、ペットショップまでのルートはその日によって違っていても、目的地に着くまでは「リードの引っ張り」がおさまる事はありません。散々遊んでお店を出ると「リードの引っ張り」はやや治まってきます。
さらに、行きつけのトリミングサロンも散歩コースに含まれていて、目的地に着くまでは「リードの引っ張り」が続きます。トリミングサロンに着くと建物の周りをクンクンしながら2~3周して落ち着きます。一方、住宅街の静かな道では、においを嗅ぎながら比較的落ち着いて歩くことが多いです。この違いからも、散歩は単なる「距離」や「時間」だけではなく、内容や刺激の質が重要なのだと実感しています。
一方で、雨で散歩を短縮した翌日や、こちらの都合で1回しか連れ出せなかった日などは、翌日の散歩で引っ張りがより強くなる傾向があります。体に余ったエネルギーを一気に発散しようとするかのようで、まるでスタートダッシュを決める陸上選手のような勢いです。これを見ると「昨日の散歩量が足りなかった」というサインにも思えてきます。
飼い主としては、リードの引っ張りを完全にゼロにすることは難しいにせよ、「なぜ今強く引っ張りのか」を観察することは大切だと感じます。最近のルーティンを振り返ると、散歩量や内容の違いが、引っ張り癖の強弱に直結していることが分かってきました。次の章では、散歩量と引っ張り癖の関係について、さらに具体的に振り返っていきたいと思います。
デカプーの散歩量と引っ張り癖の関係を振り返る
引っ張り癖が出やすいのは「散歩の前半」「お気に入りの場所」「運動不足の翌日」の3つが関係していると気づいてから、散歩量との関係を意識的に観察するようになりました。特に分かりやすいのは、散歩量が少なかった翌日の行動です。雨で朝の散歩を省略したり、夕方に短縮して20分程度で切り上げた場合、翌朝は玄関を出た瞬間から勢いよく前へ進みます。通常であれば目的地に着き、その場を後にすると落ち着いてくるのに、短縮後の翌日は目的地までのダッシュスピードが全く違い、その後も「リードの引っ張り」が続きます。
逆に、夕方に60分以上歩いた翌朝は、家を出ても勢いはあるものの、最初から比較的コントロールしやすく、引っ張りも軽減されています。散歩量が十分に確保されていると、体力が程よく消費され、心の余裕も生まれているのかもしれません。
また、散歩の「量」だけでなく「質」も大きく影響していると感じます。たとえば同じ60分でも、住宅街をぐるっと回るだけの日と、公園で自由に匂いを嗅ぎながら歩いたり、少し走らせたりすることができた日とでは、満足度が違うのか、後者のほうがリードを引く力が弱まります。これは、単なる運動量の消費だけでなく、好奇心や探究心といった精神的な満足も散歩には重要だということを示しているようです。
さらに、季節によっても散歩量と引っ張り癖の関係に変化があります。夏場は暑さで散歩を短縮することが多い分、室内でおもちゃ遊びや知育玩具を取り入れるようにしています。そうすることで、翌日の散歩でも極端な引っ張りが減ることが分かりました。つまり「外を長く歩かせる」だけが解決策ではなく、体と頭の両方を適度に使わせる工夫が必要なのだと実感しました。
このように振り返ってみると、引っ張り癖は単なる「しつけ不足」ではなく、散歩量やその内容による消費体力・溢れ出る気持ちの強さが関係していると言えます。十分な運動と適度な刺激を取り入れた日には落ち着いて歩ける時間が増え、逆に不足していると力強い引っ張りが目立つ。日々の観察を通じて、散歩量を見直すことが、引っ張り癖の改善につながることを改めて実感しました。
体重別に必要な散歩量の目安
犬に必要な散歩量は「犬種」や「性格」「年齢」によって大きく変わりますが、実際に日々の散歩を見直すときの参考になるのが体重別の目安です。体重が増えるほど体力や筋力も強くなり、運動欲求も高まる傾向があるため、単に「小型犬だから短めでよい」という一括りでは考えられません。我が家のデカプーのように11〜12kgクラスになると、一般的なトイプードルよりも必要な運動量は明らかに多くなります。
■〜5kgの犬
このサイズの犬は、比較的少ない運動でも日常の生活動作でエネルギーを消費しやすい傾向があります。目安は1日30〜40分程度の散歩。ただし神経質な子や好奇心旺盛な子は、外の刺激を得るためにもう少し長めに歩かせてあげると良いでしょう。
■6〜10kgの犬
やや体格のある小型犬〜中型犬に当てはまるゾーンです。目安は1日40〜60分程度。できれば2回に分け、朝夕でそれぞれ20〜30分歩くのが理想です。体力が余りがちな子は、ボール遊びや坂道を取り入れて運動強度を上げると、散歩後に落ち着きやすくなります。
■11〜15kgの犬
デカプーがちょうどこの範囲に含まれます。必要な運動量は1日60〜90分が目安。単に長く歩くだけでなく、時には小走りや広場で自由に遊ばせるなど「変化」を加えると満足度が上がります。
ただし、我が家のデカプーはこの目安を大きく超え、1日2時間を軽く超えます。ですので、「犬種」「性格」「年齢」によって変わってきますので、その子にあった散歩時間を早く見つけてあげることが大切になります。
■16〜20kg以上
さらに体格が大きくなると、より高い運動欲求があります。目安は1日90分〜2時間程度。もちろんすべてを歩くだけではなく、ジョギングやフリスビーなどを取り入れて「質」を工夫することがポイントです。
このように体重別に見ると、デカプーは一般的な小型犬と比べてかなり多くの運動が必要だと分かります。ただし、あくまでこれは「平均的な目安」であり、犬の年齢・体調・性格によって調整が必要です。若くて活発な子なら目安よりも多めに、シニア期に入れば負担を減らして短めに区切るなど柔軟に考えることが大切です。
つまり、「引っ張り癖が出やすいかどうか」をチェックすることは、散歩量が足りているかどうかを測るサインにもなります。体重別の目安を基準にしつつ、その子の行動や満足度を観察しながら調整することが、よりよい散歩スタイルにつながると感じています。
引っ張り癖を和らげる工夫と散歩の質向上法
リードをぐいぐい引っ張る行動は、飼い主にとっては困りごとですが、犬にとっては「もっと早く進みたい」「においを嗅ぎたい」「体力を発散したい」という自然な欲求の表れでもあります。完全にゼロにするのは難しいものの、日々の散歩の工夫次第でかなり軽減できることが分かってきました。
まず効果を感じたのが、ハーネスの種類を変えることです。以前は首輪を使っていましたが、胸部を支えるタイプのハーネスに変えたところ、引っ張る力が分散され、犬自身も歩きやすそうにしています。特に前に引っ張ると自然に体が横へ向く仕組みのハーネスは、飼い主の横につきやすく、コントロールもしやすくなりました。
次に意識しているのは、散歩前の軽い遊びです。家を出る前に数分だけボールを追わせたり、部屋の中で引っ張りっこをすることで、スタート直後の興奮を和らげる効果があります。いきなり外に出るとエネルギーが爆発して引っ張りやすくなるため、「少しガス抜きしてから出発する」ことが意外と有効でした。
また、散歩の「質」を高める工夫も大切です。同じ道を毎日歩くだけでは犬にとって単調になり、結果的に刺激を求めて強く引っ張ることがあります。そこで、コースに変化をつけるようにしました。住宅街コース、公園コース、坂道や階段のあるコースを組み合わせ、その日の時間や気分に応じて使い分けています。嗅ぐ匂いや見る景色が変わることで、犬も満足度が高まり、落ち着きやすくなります。
さらに、「歩くスピードをコントロールする練習」も取り入れています。引っ張ったら立ち止まり、リードが緩んだら再び歩き出す。最初は根気が必要ですが、繰り返すうちに「強く引いても進めない」と理解し、次第に飼い主の歩調を意識するようになりました。
こうした工夫を積み重ねることで、引っ張り癖は少しずつ和らぎ、散歩そのものの質も向上します。単に「距離を歩けばいい」ではなく、どう歩くか・どんな刺激を得るかが重要であると実感します。結果的に、犬にとっては満足度の高い時間となり、飼い主にとってもストレスの少ない散歩に変わっていきます。
まとめと次回予告
今回の観察記録では、「散歩量は足りているのか?」という視点から、引っ張り癖との関係を振り返りました。我が家のデカプーの様子を通して分かったのは、引っ張り癖は単なる性格やしつけ不足だけでなく、散歩量や散歩の質と密接に関係しているということです。
特に実感したのは、前日に十分な運動ができた日は引っ張りが軽減され、逆に散歩が短縮された翌日は勢いよく前へ進もうとする傾向が強まる点でした。つまり、引っ張り癖は「運動不足のサイン」としても活用できるのです。また、ただ長く歩けばよいのではなく、コースの変化や嗅覚遊び、坂道や広場での遊びなど、内容の工夫が満足度を大きく左右することも分かりました。
さらに、ハーネスの選び方や散歩前の軽い遊び、歩行中の立ち止まりトレーニングなど、小さな工夫を積み重ねることで、飼い主にとっても犬にとっても快適な散歩に近づけることを実感しました。引っ張り癖は「困った行動」として捉えがちですが、実際には「もっと遊びたい」「体を動かしたい」という素直な欲求の表れ。その背景を理解し、運動量や散歩内容を調整することで改善に結びつけられるのではないでしょうか。
今回の観察を通して改めて感じたのは、デカプーのように体格が大きめのトイプードルは、小型犬扱いではなく中〜大型犬寄りの運動欲求を持っているということです。一般的なトイプードルの感覚で散歩量を決めてしまうと物足りず、引っ張りやいたずらといった行動に繋がる可能性があります。その子に合った運動量を見極めることが、毎日の暮らしを快適にするカギになるでしょう。
次回の観察記録では、今回のテーマからさらに発展させて「散歩中の性格の違いが行動にどう表れるか?」に焦点を当てたいと思います。同じデカプーでも、散歩中に他の犬に積極的に近づくタイプ、逆に怖がって距離を取るタイプなど性格はさまざま。我が家のデカプーがどのように振る舞うかを記録しながら、「性格」と「しつけ・運動」の関係を探っていきたいと思います。
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