愛犬の可愛らしい仕草には色々なものがありますが、その中の一つに『穴掘り』があります。
最近では屋外犬よりも室内犬の方が多くなってきました。屋外犬は土を直接掘る事が出来ますが室内犬の場合にはそうはいきません。
ですので、室内犬の場合、土を掘る代わりに色々な行動を引き起こすことになります。例えば、自分の寝床を掘ろうとしたり、ソファーのカバーをめくり潜り込もうとしたり、飼い主のベッドにも潜り込んできたりします。そうして、そこに自分の宝物を隠す事もあるようです。こうした行動は犬が、野生の時代から持ち合わせた穴掘りの習性が残されているようです。
可愛らしい仕草や『チョットこれは』というのもありますが、野生時代の本能の名残がそうさせているので、あまり叱ったりしないでくださいね。
今回は可愛いワンちゃんが、何故、穴を掘るのか、穴を掘って何をするのか、また今まで穴掘りをしていなかったワンちゃんが、急に穴を掘り始めるのはどうしてなの?について我が家のコタローを観察しながらのお話です。
【Point:1】犬には宝物、食べ物を隠す習性が備わっている
犬にはもともと食べ物を隠して埋める習性があるようです。野生時代の名残で地面に穴を掘って埋めておくことで、食べ物が腐りにくくなったり、他の動物達に横取りをされるのを防ぐために穴を掘る、ということで、食べ物を隠すという事があるようです。
穴を掘るのは野生時代の名残
犬は野生時代に、自分が確保した食べ物に近づいてくる動物の気配に強い警戒心を持っていたようです。野生の時は、いつでもご飯を食べられるという訳ではないので、一度、狩りで獲物を得ると、食べきれない分は穴を掘って隠し持つ習性がありました。ということは、ご飯を隠すのは元々犬が持っている本能になるのでしょうね。
屋外で飼っている場合は庭に穴を掘ったりしますが、室内犬の場合には穴を掘ることはできません。そこで、野生の本能が顔をのぞかせ、ワンちゃんが寝ているベッドのクッションなどを一生懸命めくろうとするのは、ワンちゃんにしてみると穴を掘っているつもりなのかも。ということで、これが野生時代の習性の名残となりそうです。
我が家のコタローも一生懸命に自分の寝床の穴掘りをします。特に多く見られるのが食事が終わった後です。穴掘りの極めつけはソファーにかけたカバーを一生懸命にめくり中に潜り込もうとします。コタローにしてみれば穴の中に入ろうとしているのだと思います。めくって中に入った後は暫く出てこないことが、しょっちゅうです。
食事の後、穴の中でゆっくりくつろいでいる気分なのかも知れませんね。
また、人間の場合は噛めば噛むほどに満腹感が得られますが、ワンちゃんの場合は人間とは違い、噛むことでは満腹感はあまり得られないようです。ワンちゃんにとっては噛む回数よりも食べる回数で満腹感が得られるそうです。
ですので、おやつをあげる場合には一度に沢山あげるのではなく、数回に分けてあげた方が満腹感が得られるというわけですね。
我が家のコタローは食事の後、必ずと言っていいほどおやつをおねだりしまが、少しずつ何回かに分けて与えるようにしています。食事の後ということもあって割と早く満腹感が得られるようです。食事は体重増加を防ぐため少なめにしていますよ。
作戦として初めから食事の量を少なめにして、おやつを数回に分けてあげることで満腹感と食事量のバランスをとっています。参考までに。
犬は宝物をへそくる習性がある
コタローは、おやつをもらい満足してくると最後の方は自分の寝床に持って行きクッションの下に宝物を隠すようにしてしまっておくこともしばしばありまが、宝物はおやつ以外にも沢山あります。
ワンちゃんの宝物でおやつ以外の代表的なものは…
靴下、タオル、メガネ、ボール、スリッパ、リモコン、などがありますが、困ってしまうのはテレビのリモコンを得意げにゲットして持ち去ってしまう。そのときに、はずみで見ていたテレビで番組が変わってしまうことです。あげくの果てには映らなくなってしまいます。
仕方がないのでテレビ本体で調整をしますが、リモコンは出てきません。色々なところを探すとベッドの下の奥の方にあったりします。『持っておいで』と言うと、たまにですけどベッドの下にもぐりこんで運んできます。
隠す場所はベッドの下ばかりではありません。大事な宝物の隠し場所は、ワンちゃんの寝床だったり、ソファーの隙間やベッドと壁の隙間、冷蔵庫と壁の隙間など、どうしてこんな所にと思うような所から、色々なものが出てきたりします。
隠し場所に人が近づくと心配そうに、そわそわしたり、くわえて取り出し飼い主さんに自慢げに見せてくれたかと思うと、また、しまってしまったりする事もあります。
ほとんどの場合、大事な宝物なのにいつの間にか、当のワンちゃんも隠した場所を忘れてしまうことが多いようです。今まであった物がなくなってしまった場合などは、家中の隙間を探してみると見つかることがあるかもです。そんな時でも決して叱らないでくださいね。
叱ってしまうとストレスになってしまいます。
【Point:2】体温調節でも穴掘りをする
ワンちゃんが食べ物を隠す以外に穴を掘る理由のもう一つに寝床作りがあります。
コタローの場合には、夏場の暑い日などに、よく穴掘りをしています。穴を掘る理由は、『自分の体温で温まった土を掘り返し、冷たい土と入れ替えて寝るためにとる行動のようです』そこで、コタローも、温まったクッションなどをひっくり返して、冷たい所で寝ようとしているようです。この辺りにも、野生の時の習性の名残が見られるようです。
この他にも、ひんやりしたところを探し、床に直接寝たり玄関の涼しい所で寝たりしています。
また、冬場の寒い時などは陽の当たる場所で寝ることがよくあります。
冬場でもそれほど寒くはないときなど、我が家のコタローは自分の寝床が温まってくるとひんやりしたところを求め移動していきます。
【Point:3】楽しいから穴を掘る習性
室内犬にはあまりありませんが、屋外で飼っている場合に一心不乱に穴を掘るワンちゃんがいます。何故でしょうか?
単純に楽しいからです!
適当なところで止めて欲しいと、飼い主さんはきっと思うでしょうね。でも、中々止めてはくれないようです。
最初にお話をした『食べ物を隠す』『体温調整でも穴掘り』以外に3つ目の理由として単純に『楽しいから』があるんですね。おそらく『楽しいから』が穴掘りの最大の理由となりそうです。
何故なら、野生時代には小動物の巣穴を掘り返して獲物を捕らえることもあったようで、ワンちゃんの頭の中には『穴を掘る=楽しい、いい事がある』とインプットされているということが、考えられそうです。アドレナリンが出まくり、ワンちゃん自身も中々止められないのでしょうね。
特にテリア系は、地中に巣穴を作る小動物の狩り用に作られた犬種なので、察するところ、穴を掘るのが大好、ということが言えそうですね。
【Point:4】いきなりの穴掘りは要注意!
今まで、一度も穴を掘ることはしなかったのに、最近、急に穴を掘りはじめたという場合は注意がチョット必要かも。おそらくワンちゃんにストレスがたまっているのかも知れませんね。飼い主さんに遊んでもらえないため、暇を持て余して退屈まぎれに穴を掘っていることも考えられそうです。そのまま放置しておくと、ワンちゃんにストレスがたまり続けてしまう、と言うことにもなりそうですね。
野生の本能でもある穴掘り自体を一切やめさせることは難しいですが、散歩や遊びの時間を適度に増やしコミュニケーションをとることで、ワンちゃんを退屈させないようにしてストレス発散に心がけましょう。そうすることで、不必要な穴掘りの行為は徐々に減らすこともできそうですね。ですので、日頃からの接し方が大事になってきそうです。
まとめ
- 犬には食べ物を隠す習性がある。
- おやつは数回に分けてあげた方が満腹感を得られる。
- 犬は宝物をへそくる。
- 犬は体温調節のためにも穴掘りをする。
- 野生の場合地中の巣穴を掘り起こし獲物を確保する。
- 急な穴掘りはストレスがたまっているかも。
ところで、以前から疑問に思っていたのですが、犬にも人間と同様に味を感じることができるのかな?
犬は、舌のどの部分で味を感じているのか不思議でしたが、専門家によると犬の舌にも人間同様に味蕾(みらい)という味を感知するための器官があって、甘味・苦味・辛味・塩味・酸味を感じることができるそうです。しかし、味蕾自体が人間の1/5程度の数しかなさそうなので、人間に比べると味覚が鈍いようです。ということで、実際は食べものの味覚よりも嗅覚で判断していることの方が多い、ということになりそうです。
また、単純な疑問としてワンちゃんは毎日同じドックフードを食べていて、飽きてしまうことはないのでしょうか。
犬の習性として味わって食べることはなく、与えられた食べものを飲みこむように一気に平らげてしまいます。(健康な場合)犬にとっては、味を楽しむよりも早く空腹感を満たすことが重要なようです。そのため毎日同じ食事を摂り続けたとしても、飽きるということがないようです。ということから、これも野生時代の名残なのでしょうね。
我が家のコタローも全く同じです。
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