
散歩中、愛犬がなかなか前に進まず、あちこちでクンクン匂いを嗅いで困った経験はありませんか?
「早く歩いてほしい」「何をそんなに嗅いでいるの?」と感じる飼い主さんも多いと思います。
実は、犬にとって散歩中のクンクン行動はただの癖ではなく、とても重要な意味を持つ行動です。
我が家の愛犬コタ2(トイプードル)も、散歩に出るとまず地面や電柱、時には人の足元まで丁寧にクンクンしますが、これは多くの犬に共通する自然な姿でもあります。
この記事では、犬が散歩中にクンクンする代表的な3つの目的を、一般的な視点からわかりやすく解説していきます。
あなたの愛犬の行動と照らし合わせながら、ぜひ読み進めてみてください。
1. 犬がクンクンする目的は様々な情報収集のため!
私たち人間は、主に「目」から多くの情報を得ていますが、犬は人間ほど視力が良くありません。
その代わりに、鋭い嗅覚と聴覚を使って、散歩中のさまざまな情報を読み取っています。
特に嗅覚は非常に優れており、匂いの種類によって差はあるものの、人間の数千倍〜1億倍とも言われる能力を持っています。
そのため、犬にとって散歩中の「クンクン」は、重要な情報収集行動のひとつなのです。
散歩中、愛犬が立ち止まって匂いを嗅ぐのは、周囲の環境を把握し、安全を確認し、他者の存在を知るため。
では、具体的にどんな対象から情報を集めているのでしょうか。
なお、クンクン行動は小型犬に多く見られる傾向があります。
これは、体高が低く地面との距離が近いため、より多くの匂いを感知しやすいことが一因と考えられています。
地面をクンクンして情報収集
地面をクンクンする行為は、犬にとって非常に重要な情報源です。
そこには、他の犬の匂い、人が落とした食べ物の匂い、風や雨によって運ばれた匂い、排泄物の匂いなど、数えきれないほどの情報が残されています。
犬はこれらの匂いを嗅ぎ分けることで、
「誰が、いつ頃、ここを通ったのか」
「危険なものはないか」
「食べても安全そうなものか」
といった判断をしていると考えられています。

また、散歩中に風に向かって鼻を上げ、空気をクンクン嗅ぐ姿を見たことはありませんか?
我が家のコタ2でも時々見られる光景ですが、これは空気中に漂う匂いをキャッチし、遠くの情報まで探っている行動と考えられています。
ワンコをクンクンして情報収集
散歩中に他の犬をクンクンするのは、犬同士の大切な挨拶行動です。
顔周りや体、お尻の匂いを嗅ぐことで、

●性別 ●年齢 ●健康状態 ●その時の気分や興奮度
などを読み取り、「この子はどんな相手か」「友好的かどうか」を判断しています。
いわば、人間の名刺交換のようなものです。
人をクンクンして情報収集
飼い主さん以外の人をクンクンする行為も、犬にとっては自然な情報収集です。
「この人はどんな人だろう?」「安心できそうかな?」といった判断を、匂いを通して行っています。
好奇心旺盛な犬の場合、手当たり次第に近寄ってクンクンすることもあり、いわゆる「人懐っこい性格」と言えるでしょう。
コタ2の場合も、興味を持った人には自分から近寄り、足元にまとわりついたり、しゃがんでもらうと顔を舐めたりすることがあります。
一方で、最初から距離を取る場合もあり、その場合は離れた場所から匂いを嗅いで様子をうかがっているように見えます。
ここで気を付けたいのは、犬にも人と同じように相性があるということ。
犬同士・人との挨拶は、必ずしも全て行う必要はありません。
飼い主さんが愛犬の様子をよく観察し、無理に挨拶をさせない判断も大切です。
相性の合わない挨拶は、犬にとってストレスになることもあります。
2. 犬がクンクンする目的は色々な楽み探しのため!
クンクン行動には、情報収集以外にも大切な意味があります。
それは、犬にとっての「楽しみ」です。
私たち人間がテレビや映画、スポーツ観戦を楽しむように、犬にとって匂いを嗅ぐことは大きな娯楽のひとつ。
もし、楽しんでいる最中に突然中断させられたら、少なからずストレスを感じますよね。
犬も同じです。
楽しみを探し求めてクンクン
散歩中、愛犬がクンクンしているたびに
「ここダメ」「そこもダメ」とリードを強く引いてしまうと、犬は十分に楽しめず、ストレスが溜まってしまうことがあります。
拾い食いなどの危険には十分注意が必要ですが、安全が確保できる範囲であれば、クンクンする時間も散歩の一部として認めてあげたいですね。
また、リードを強く引くことは精神的ストレスだけでなく、身体への負担にもつながります。
首や気管、頸椎に負荷がかかり、咳き込みやケガの原因になることもあるため注意が必要です。

コタ2の散歩を観察していると、朝と夕方で同じコースを避け、常に新しいルートを選ぶ傾向があります。
空き地や駐車場、気になる場所では隅々までクンクン。
特に気に入った場所には、数日続けて通うこともあります。
この様子を見ると、情報収集というより「楽しみ探し」の比重が大きいのかもしれません。
3. 犬がクンクンする目的は視力の弱さを補っている!
犬の視力はおおよそ0.2〜0.3程度で、人間に換算すると0.1〜0.2ほどと言われています。
焦点を合わせる能力も弱く、物は全体的にぼんやり見えていると考えられています。
比較的はっきり見える距離は30〜50cm程度。
また、色の認識も人間のようなフルカラーではなく、限られた色調で見えているとされています。
一方で、犬は人間よりも優れた視覚能力も持っています。
視野は人間の180〜200度に対し、犬は240〜270度と非常に広く、
動体視力も人間の約4倍とも言われ、動く物を遠く(約800m先)から捉えることができます。
それでも、細かな情報を補うために活躍するのが嗅覚です。
匂いを嗅ぐことで、視覚だけでは得られない情報を補完し、周囲の状況を正確に把握しています。
この優れた嗅覚は、散歩だけでなく、災害救助犬や空港での不審物探知、麻薬探知、さらにはがん探知犬としても活躍しています。
それだけ、犬の「クンクンする力」は高度で、視力の弱さを補う重要な能力なのです。
クンクンが多すぎる時の対処|止めるべき?見守るべき?
「クンクンするのは大切」と分かっていても、
あまりにも散歩が進まない、地面から離れないとなると
「これは多すぎでは?」と不安になりますよね。
結論から言うと、クンクンが多い=必ずしも問題ではありません。
ただし、状況によっては調整や介入が必要なケースもあります。
クンクンが多くなりやすい自然な理由
●初めての散歩コース・久しぶりの場所
●他犬の匂いが多い時間帯(早朝・夕方)
●季節の変わり目(特に春・秋)
●若齢犬・好奇心旺盛な性格
この場合は、情報収集+楽しみ探しが活発なだけなので、
安全が確保できていれば問題ありません。
調整を考えたいサイン
一方で、次のような様子が見られる場合は、少し対応を考えてもよいでしょう。
●まったく前に進めず、散歩が成立しない
●拾い食いが頻繁で危険が伴う
●クンクン中に強い興奮状態になる
●呼びかけに一切反応しない
無理に止めない「上手な対処法」
クンクンを完全に止める必要はありません。
おすすめなのは 「区切りをつける」考え方です。
●最初の5~10分はクンクンOKタイム
●危険ゾーン(ゴミ・排泄物付近)は短く誘導
●声かけ+リード誘導で静かに切り替える
リードを強く引くのではなく、
「行くよ」「おしまい」と一貫した合図で切り替えるのがポイントです。
コタ2の場合も、最初は徹底的にクンクン。
満足したあとは自然と歩きに集中することが多く、
満たしてから切り替えるほうが結果的に散歩がスムーズになります。
よくある質問(FAQ)
散歩中のクンクンは基本的に止めない方がいいのですか?
はい。安全が確保できている場所であれば、クンクンは犬にとって大切な情報収集と楽しみの時間です。完全に止める必要はありません。
止めた方がいいクンクン行動はありますか?
あります。拾い食いの可能性がある場所、排泄物付近、交通量の多い道路沿いなどでは、短く切り上げて誘導した方が安全です。
クンクンが多すぎて全然歩いてくれません
最初にクンクン時間をしっかり取ることで、その後スムーズに歩く犬も多いです。「最初はOK、途中から切り替え」を意識してみてください。
リードを引いて止めるのはよくないですか?
強く引くと首や気管、頸椎に負担がかかる可能性があります。声かけや方向転換など、穏やかな方法で切り替えるのがおすすめです。
クンクンしない散歩の方が運動になりますか?
必ずしもそうではありません。匂いを嗅ぐ行為は脳を使うため、距離が短くても満足度の高い散歩になることがあります。
年齢が上がるとクンクンは減りますか?
個体差はありますが、若い頃より落ち着くケースは多いです。ただし、嗅覚は高齢になっても重要な感覚なので、完全になくなることは少ないでしょう。
散歩中のクンクン行動とあわせて気になるのが、
「散歩量は足りているのか?」「引っ張り癖は関係あるのか?」という点ではないでしょうか。
実は、運動量や散歩の満足度が足りていないと、
クンクンや引っ張り癖が強く出るケースもあります。
👉 デカプーの引っ張り癖は散歩量が原因?行動×運動の正しい関係を徹底解説!
では、散歩量の考え方と引っ張り癖との関係を詳しく解説していますので、
あわせて参考にしてみてください。
まとめ|散歩中のクンクンは「止めるもの」ではなく「活かすもの」
犬が散歩中にクンクンするのは、単なる癖やワガママではなく、
●嗅覚を使った情報収集
●楽しみや刺激を見つける行動
●視力の弱さを補い、安全を確認するため
といった、犬にとって欠かせない本能的な行動です。
そのため、散歩中のクンクンは基本的に無理に止める必要はありません。
むしろ、安全が確保できる範囲であれば、散歩の一部として受け入れることで、
愛犬の満足度は大きく高まります。
一方で、拾い食いの危険がある場所や交通量の多い場所など、
止めた方がいいクンクンがあるのも事実です。
大切なのは「完全に禁止する」ことではなく、
クンクンさせる時間と切り替えるタイミングを上手にコントロールすること。
愛犬のペースや気持ちを尊重しながら、
人と犬の双方が気持ちよく歩ける散歩を目指していきたいですね。


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