愛犬コタ2は1歳を過ぎたあたりから散歩ルートを自分自身で決めるようになり1歳5ヶ月を過ぎたあたりから2歳近くまでは自身が決めた散歩ルートの変化を楽しむため朝、夕散歩をしていましたが2歳あたりから、そのルートから外れるようになってきました。そこで、愛犬自身が決めた散歩ルートを変える必要性について考えます。
散歩ルートの変化が愛犬に与える影響
前提として散歩ルートは「飼い主さんが決める」というのが一般的のようで、愛犬に引っ張られるような散歩は飼い主さんが愛犬に「下に見られている」とよく言われています。かと言って飼い主さんが愛犬の意思を一方的に無視した散歩は愛犬のストレスになることもあるので程度問題ですが難しいところです。
今回は、愛犬にストレスがかからないように行き先を任せて散歩をしていくうちに、大きく方向性は変わらないものの徐々に細かなルートまで散策をしたり、時にはいつものルートを延長したりと変化を楽しむ愛犬コタ2の行動を参考にしています。
愛犬自身の好みに応じた散歩ルート選び
愛犬自身が散歩ルートを変えるのは、今までのルート環境に飽きてしまい常に新しい刺激を求めようとして行動を起こすことがあります。それは、「あらゆる場所を散策したい」、「色々な体験をしてみたい」、「新たな匂いを嗅ぎたい」などで愛犬自身の好みにあった新しい散歩ルートを選択したいという強い意志の表れなのです。
新しい場所には、今までとは異なる風景や匂いの他に、新しいワンちゃんや飼い主さんとの出会いもあるので、これまでとは違った満足感が得られるのだと思います。
これらの行動は、飼い主さんが愛犬のために「そろそろ散歩ルートを変えよう」と思って変更するのではなく、愛犬自身の意思でルートを決めるということです。そうなると前述したように、「愛犬に引っ張られて散歩をしているで飼い主さんや愛犬も危険」と思われる方も少なくないと思いますが、愛犬の欲求をすべた満たすのではなく、急な飛び出しや、走りだした時には「ダメ、待て」の指示を出しリードを軽く引く。それでも、直らないときは飼い主さんがストップをし逆方向へ誘導して、常に飼い主さんの横を歩かせる対応をとるようにする。
そのうえで、曲がり角や十字路に来た時には愛犬の意思で行きたい方へ行かせてあげる。リードは張らずに少し余裕を持たせる。後は状況を見ながら、さらに愛犬の行きたいところへ行かせてあげる。そうすることで愛犬のストレスも軽減されお互いの信頼関係も築かれるようになります。
こうなると、一見、愛犬のわがままを助長するようにも思われがちですが、それは人間社会で愛犬達が一緒に暮らすからこそ起きうることで、犬の行動としては全く問題のないものばかりです。ですので、愛犬が本当にわがままな行動をとった時にのみに「それは悪いこと」と認識させることが大切なことになります。
愛犬コタ2のように好奇心旺盛で落ち着きのない犬でも十字路に来た時には、一度は立ち止まり周辺を見渡し行き先を決めているようです。その後はコタ2の自由行動です。自由行動中でも行き過ぎた行動「駆け出し、急な方向転換、拾い食いなど」を取った場合には「ダメ、待て」の指示を出し落ち着かせるようにし行動制限を出来るだけ設けないようにしています。
しかし、全ての愛犬が新しい散歩ルートを好む訳ではありません。そのコの性格が(神経質、引っ込み思案)などの場合には安心できる同じ散歩ルートが適しているようです。元々、犬はルーチンを好む動物でもあるので、臆病なコや歳を重ねてきた愛犬には安心安全ないつもの散歩ルートの方がストレスも軽減出来て楽しい散歩が出来ることもあるようです。
ルートを変えることでの健康とマナー効果
犬の情報源の一つでもある嗅覚は、散歩ルートを変えることで新たに新鮮な匂い(見知らぬ人や他の犬、地面や草花)を嗅ぎ分けることで脳が刺激され愛犬の健康維持にもつながっていきます。
例えば次のようなことが考えられます。
1. 変化にとんだ散歩ルートを歩くことで周辺の風景も変わり心身がリフレッシュされます。
2. いつもとは違う環境になるので若い犬は適応力が養われるので社会性を身につけることができます。
3. あらゆるものが目新しくなることや地形が変わることで散歩が楽しく活動範囲も広がるので筋力アップにも繋がります。
4. 常に新たな匂いを嗅ぐことで脳が活性化され老化や認知症の進行を抑えることができます。
5. 散歩ルートがあまり変わらず毎日同じルートだと縄張り意識を持ってしまうことがあり、他の人や犬に対して威嚇をしてしまうこともありますが、ルート変更をすることで縄張り意識を軽減することができます。
6. 新しい散歩ルートは緊張や興奮をともなうので心地よい疲労感から良い睡眠が得られるようになることもあります。
環境の変化が愛犬にもたらす刺激
犬は様々な刺激に慣れてしまうことがあります。その慣れを最小限にとどめるために散歩ルートの変更はとても大切になります。いつもと同じ散歩ルートを、ただ歩いているだけでは愛犬にとって刺激がなく割と早く飽きてしまうこともあります。同じルートであっても、ゆっくりと歩いてみたり、速足で歩いたり、時には走ってみたりとスピードに変化を持たせるだけでも愛犬にとっては変化を楽しむことが出来ます。
また、新しい散歩ルートに ①階段や階段スロープ、②ブロック塀、③公園のベンチ、④遊歩道などにあるコンクリート製の低い壁などを利用していつもとは違った遊びの中から新たな刺激を受けることができます。(私有地ではくれぐれも行わないようにしましょう。)
① 愛犬と共に階段を上り、下りはスロープで降りてみたり手すりがあれば手すりの下をくぐってみるなど。
②ブロック塀に前足をかけ伸びをしたり、横にカニ歩きなど。
③ベンチの下をくぐらせたり、ベンチの前にお座りさせ、飼い主さんがベンチに座り膝の上にお座りをさせるを何度か繰り返すなど。
④ 幅の狭いコンクリートの上を歩いてもらう、コンクリートの壁に前足をかけ伸びをするなど。
これらの行動の中で、時として行われるノーズワークでは脳の感覚野、体を動かすことで大脳の運動野、小脳が刺激を受けています。
さらに、脳の大脳辺縁系では、情動や本能行動、記憶、自律神経調節などの機能と密接に関与しているためノーズワーク中はこの部分が刺激されていると考えられています。この大脳辺緑系には(帯状回、扁桃体、海馬、海馬傍回)などが含まれます。
このように散歩ルートを変更するだけで、変化を楽しむ愛犬には肉体的にも、精神的にも良い刺激をもたらしているようです。
まとめ
愛犬にとって散歩は、単に排泄などだけではなく飼い主さんとのコミュニケーションを深めたりいろいろな体験や行動から、変化を楽しむために散歩ルートを自ら選択することがあります。臆病だったり引っ込み思案や老犬はこの限りではありませんが、愛犬の行動には意味や目的があるので周辺の環境などに注意を払い、愛犬も飼い主さんも楽しい散歩を心がけたいものです。
コメント