犬の鼻の色はなぜ変わるの?!その理由から分かる大切なこと!

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犬の鼻の色は犬種や個体差によって様々ですが、その色の違いにはどのような意味があるのでしょうか?、また、色が違う事により病気などが気になるところですが実際のころはどうなのでしょうか?

今回も我が家の愛犬のタローの鼻の色を参考に、鼻の色について考えてみたいと思います。

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犬の鼻の色が変わる理由について

犬の鼻の色(鼻鏡=鼻の先端部分)で割と多いのは黒です。ここでいう鼻の色とはこの先端部分のお話です。また、黒色の他にも毛の色に近い色だったり自然環境(季節)や生理的要因によって鼻の色が変化してくることもあります。

例えば、毛色が茶系の場合には鼻の色は焦げ茶や薄茶、白毛の場合にはピンク系だったりします。

鼻の色が変わる原因 1. 季節が関係するもの

春の終わりから夏の終わりごろまでは黒々としていた鼻の色が、冬が近くなると茶系やピンク系に変化していき、季節が変わり春から夏にかけて黒色に戻りと、このサイクルを繰り返す事があります。この現象はウィンターノーズ(冬鼻)、スノーノーズ(雪鼻)と呼ばれているようです。

ウィンターノーズ(冬鼻)、スノーノーズ(雪鼻)が起こる原因は

様々な要因があり原因を特定することは難しいようでが、その中で考えられている原因の一つが季節によって変わる日照時間です。夏場に浴びる強い紫外線から皮膚を守るためのメラニン色素が生成されるため黒色に変化し、また紫外線が弱まる冬場には茶系やピンク系になると考えらているようです。

いずれにしても冬場前後に起きる症状で、中には退色したまま元に戻らない愛犬もいれば我が家の愛犬コタローのように一年を通じて真っ黒のままで変化しない場合もありますので、ハッキリとした原因特定は今の段階では難しいようです。

鼻の色が変わる原因 2. 加齢によるもの

年齢を重ねることで人間も髪に白髪が増えることがありますが、犬も同様に被毛に白髪が目立つようになることがあります。鼻の退色も同様で、加齢によってメラニン色素を作り出す働きが低下することで鼻の色が退色していく場合があるようです。

我が家の愛犬コタローは16歳になりましたが白髪は少し目立つようになりましたが、鼻の退色については全くなく黒々としたままです。ですので、犬種や個体差によっても違いがあるのかも知れません。

鼻の色が変わる原因 3. 遺伝によるもの

生まれたばかりの仔犬のときには色が濃くても、成長するに伴い鼻の色が徐々に薄くなっていくことがありますが、多くの場合遺伝的に色素が薄いことが原因と考えられているようです。

鼻の色が変わる原因 4. 怪我によるもの

元気でやんちゃな子は気を付けてあげたい。勢い余って何かにぶつけたり鼻先を擦り付けたりすることで一部分の色素が抜け落ちてしまう事があります。その部分の症状によっては元々の色に戻ったり、戻らなかったりすることもあるようです。

鼻の色が変わる原因 5. 銅欠乏症によるもの

普段から総合栄養食を主に食べている場合は、バランスよく栄養を摂取できているのでほとんど問題はないようですが、飼い主さんが手作りご飯をあげている場合には、時として体の中の銅が欠乏することがあり皮膚や鼻の色、被毛の色が薄くなることがあります。こう言った場合には栄養バランスを考えてあげましょう。

逆に、銅を摂取しすぎることでも問題が!

それは肝臓に障害が起こってしまことです。これは銅蓄積肝障害で肝臓における銅の排泄機能が悪くなることで、銅が蓄積しやすくなってしまうのです。

ただし、銅蓄積肝障害はある程度犬種が限定されるようです。その犬種はダルメシアン、ドーベルマン、ラブラドール・レトリバー、べドリントン・テリアなどですが慢性肝炎を含め気が付いたときには病気が進行したいる場合が多く、早期発見、早期治療が一番です。その為にも動物病院で定期的な検診が大切です。

我が家の愛犬コタローは今まで一度も銅欠乏症や、銅蓄積肝障害になった事はありませんが銅蓄積肝障害の症状は病気の進行状況や犬種などにより一概には言えませんが下痢や嘔吐、腹水、食欲不振や元気がなくなることがあります。

コタローは上記の腹水を除く症状が何度も繰り返し起きています。その原因が腎臓、心臓、胃腸だったりします。元々の原因が異なっている場合でも現れる症状が同一のこともありますので、動物病院での細部にわたる検査がとても大切になってきます。

犬の鼻の状態から分かること

皆さんもよくお聞きになった事があると思いますが、愛犬の鼻が濡れていると健康だというお話ですがこの事は本当だと思われますか?

これは本当のようです。

犬の健康状態

健康なときは犬の鼻は適度に湿っていて、黒い鼻の持ち主は黒光りをしています。それは鼻の奥にある「外側鼻腺」という分泌腺から分泌される粘液によって湿っているのです。

湿ったは鼻には意味があり、犬の嗅覚と関係しています。鼻が湿っていることで空気中の分子が吸着しやすくなり匂いを嗅ぎ分けることが容易になります。

さらに体温調整も担っています。犬は汗をかくことが出来ませんが、分泌腺からでる分泌物は人間でいう汗のようなもので、これにより体温を調節しています。この他にも肉球に汗腺がありますが鼻と肉球からだけでは身体にたまった熱を放出できないため口をハアハアすることで体温を下げています。

勿論、鼻の濡れ具合一つで犬の身体全体が健康だという訳にはいきませんが、健康状態を確認するうえで一つのバロメーターになることは間違いないようです。

犬の臭覚の違い

鼻の色と臭覚について2つの説があるようです。

その1 黒鼻の方がピンク鼻より臭覚が優れているという説

全身のメラニンの濃さと臭覚の鋭さがリンクしていると考えられている。

その2 鼻の色と嗅覚は関係ないという説

犬の鼻の色には黒、焦げ茶、うす茶、ピンク、ピンクに黒の斑点など様々ですが、鼻の色による機能の違いはなく嗅覚の鋭さは鼻の面積によって決まると考えられている。

    

どちらにしても犬の臭覚は夏場の暑さのためハアハアと口から呼吸をするためその機能は低下するようです。

犬の鼻の色が変わりやすい犬種

スノーノーズの場合

一般的に被毛の色が明るい犬種の場合に多く見られるようです。例えば、シベリアンハスキー、ラブラドールレトリバー、ゴールデンレトリバー、ジャーマンシェパードなどが一例としてあげられますが、犬種を問わずスノーノーズを引き起こす可能性はあるようです。

仮に、スノーノーズになった場合でも、それ自体が問題になったり、それが引きがねになり健康上問題になることはないようですので、ご安心ください。

犬の鼻の色が変わることで疑われる病気とは?

上記で紹介した記事で、鼻の色が変わることによる病気の心配はないのですが、ここからは鼻の色が変わることで疑われる病気についてのお話です。

1. エリテマトーデス

そもそもエリテマトーデス自体が難しすぎて何のことかよく分からないのでそこからスタートしたいと思います。

エリテマトーデスとは:免疫の異常から起こる自己免疫疾患。全身と皮膚に炎症が起こることから、全身性エリテマトーデス皮膚型エリテマトーデスの二つに分けられます。

エリテマトーデスは別名を【紅斑性狼瘡】(こうはんせいろうそう)と呼ばれ、狼に噛まれたような状態を呈し皮膚表面が赤くなることから名付けられているようです。

それでは皮膚型エリテマトーデスから

皮膚型エリテマトーデスはさらに3つに分かれます。

1.水疱性エリテマトーデス(すいほうせい)お腹側を中心に症状が出やすく脇、内股や口腔内などで、細菌による二次感染が起こることもあります。中年齢から高年齢犬に多く見られます。

2.剥脱性エリテマトーデス(はくだつせい)背中側に症状が出やすく、鼻や口にかけてと耳たぶなどで、ふけ、脱毛などが起きることから、かさぶたや潰瘍などが見られることもあります。皮膚の状態によっては細菌よる二次感染が起こることもあります。

また、治療を行ってもあまり効果が期待できないことから愛犬が生活していく上で質が低下してしまう事も多く見られます。

3.円板状エリテマトーデス(えんばんじょう)犬の鼻の色が変化してきた場合の多くは円板状エリテマトーデスで皮膚エリテマトーデスの中で最も多くの発症が見られます。

鼻先や眼の周辺、耳や肉球などに症状が出てきます。鼻の色が変わる程度であれば健康上問題はありませんが、全身にかけて皮膚の異常が見られた場合には獣医師さんに診てもらうことをお勧めします。

急性期(症状が急に現れる時期)には鼻や眼のふちに黒い色素が落ちる色素脱や皮膚の赤みなどに加え湿疹、フケの症状がみられます。

慢性期(病状が比較的安定している時期)にはカサブタや皮膚の潰瘍(かいよう)化の症状がみられます。

原因としては

特定の犬種(ジャーマン・シェパード・ドッグ、コリー、シェットランド・シープドッグ)に多く見られることから遺伝的な要因が関係しているのではと考えられている一方で、詳しい原因はまだ明らかになっていないようです。

気を付けたいことと治療について

これといった予防法はまだわかっていない為、日差しが強い時期の紫外線を避け、犬用の日焼け止めを使用し日光に当たらないようにすることが大切です。仮に皮膚エリテマトーデスになってしまった時の治療には免疫抑制剤の内服が一般的で、状況に応じて抗生剤を使用することもあるようです。

次に全身性エリテマトーデス

症状が主に皮膚に限られる皮膚エリテマトーデスに対して全身性エリテマトーデスでは皮膚を含む身体全体の臓器(腎臓、関節、筋肉、リンパ節)などに症状が現れることがあります。

原因としては

免疫系に異常が起きることで正常に機能しなくなる。それは、自己免疫疾患で自らの細胞を攻撃することで起きてしまう病気です。症状が現れる部位は自己免疫疾患の種類により異なり、様々な症状が起きることから他の病気との見極めが難しいとされています。

気を付けたいことと治療について

今の段階では予防法は見つかっていません。ですので、普段からの細かな観察が大切で様子がおかしいと感じた時には早めに動物病院で診てもらいましょう。仮に全身性エリテマトーデスになってしまった時の治療には主にステロイド剤が使用されます。

他の病気(てんかん、心臓病など)と同様に服用後の病状の変化によっては投与量の増減、薬の種類の変更などをおこない定期的な診療で様子を観察して行きます。

症状としては ●元気がなく食欲がない ●歩くのをためらう ●発熱 ●脱色素 ●皮膚の赤み ●フケなどですが、他にも愛犬によって様々なようです。

全身性エリテマトーデスは人間においても国が指定する難病の一つ。ステロイドと免疫抑制剤の進歩により現在では亡くなる方はほとんどいないようですが、完治は中々難しく治療期間が長くなるようです。

2. ぶどう膜皮膚症候群

ぶどう膜皮膚症候群とは自己免疫疾患で、メラノサイトという黒い色素細胞を自身のメラノサイトと間違えて排除してしまう事で起こる病気です。多くの場合、眼と皮膚に発症が見られますが目に見えて分かりやすいのは眼に現れる症状です。

その症状は、涙の量が増えたり、赤くなったり、眼がショボショボしたり、まばたきの回数が増えたりしてきます。また、ぶどう膜炎や白内障、緑内障などが重症化すると失明することもあるので早期治療が欠かせません。

眼以外の症状としては鼻鏡、眼周辺、口周辺、肉球、肛門などで、鼻鏡については脱色され色が薄くなることがあります。

原因としては

遺伝的要因が関係していると考えられていますが、ハッキリとした原因は分かっていません。また、多くの犬種にも発症が確認されているようです。

気を付けたいことと治療について

ぶどう膜皮膚症候群の場合は、鼻鏡の色の変化もさることながら眼の異常に細心の注意を払ってあげましょう。

治療についてはステロイドの全身投与が基本とされていますが、副作用が強い場合もあるのでその場合にはシクロスポリンなどの免疫抑制剤でコントロールすることもあります。

ステロイド剤の副作用について

1.免疫力の低下による感染症の悪化、誘発
2.副腎皮質機能不全
3.多食や多飲多尿による肥満
4.胃腸障害による下痢、嘔吐、胃潰瘍
5.肝障害による肝数値の上昇
6.クッシング症候群による糖尿病、骨粗しょう症、皮膚の菲薄化、筋肉の萎縮(いしゅく)
7.神経障害による不眠や不安
8.創傷治癒の遅延

1~8の中で危険性が高い副作用は1の免疫機能の低下による感染症の悪化や新たな誘発です。

我が家の愛犬コタローも一昨年の夏にステロイド剤を服用していました。私自身、ステロイド剤には副作用を強く伴う場合がると認識していたので獣医師さんに確認したところ『出来れば服用しないにこしたことはない』と言われていました。しかしながら現在の医学、獣医学では色々な疾患が数多く存在することからステロイド剤は治療に欠かすことが出来ないようです。

ステロイド剤には免疫抑制作用、抗炎症作用など強力な治療効果がある反面、副作用を考えると正しく使用することがとても大切になってきます。ですので、獣医師さんの指示に従い自らの判断で服用方法を変えたり、断薬したりすることは愛犬にとって危険です。

愛犬コタローのステロイド剤の服用、断薬については『下痢、嘔吐を繰り返して苦しむ愛犬コタロー!5ヶ月間の記録から分かったこととは!』で確認いただけます。

まとめ

愛犬の鼻の色が変わる理由には犬の健康上直接関係のない生理的要因(季節、加齢、遺伝など)や病的な(皮膚型エリテマトーデス、ぶどう膜皮膚症候群)によるものなどがあります。病的なものに対しての治療には主にステロイド剤が使用されますが、服用については獣医師の指示に従って正しく使用することが大切です。

また、普段から飼い主さんは愛犬の鼻の色に対して時々は注意を払ってあげたいものです。

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